20歳米国人のボキャブラリーは平均して4万2千語だそう

サイエンス誌のウェブサイトによると、20歳の米国人は平均して4万2千語をしっているのだそうです。調査研究を行ったのは、ベルギー・ゲント大学の実験心理学のチーム。もともとはオランダ語で調査をしていたが、米国版を開発し調査を実施したところ、平均して4万2千語だというのがわかったと報告しています。

これはあくまでも平均で、上位5%では5万2千語、下位5%では2万7千語だったとのこと。ちなみに単語の単位はwordではなくて、lemma(見出し語)といって、たとえば、run、runs、ran、runningという語形変化によるグループ(lexeme、語彙素という)ではrunがこのlemmaにあたります。

国内では、大学受験にむけて3000〜5000語(これもおおむねlemmaを単位としています)が必要とされています(私大では意地悪く難易度の高い単語を平気でだしたりするらしいですが)。受験英語を目安とすると、下位5%の2万7千語もずいぶんとハードルが高いと感じられるでしょう。

さらに、米国成人は2日に1語のペースでボキャブラリーをやしていくそうです。となると年あたり200語弱、10年で2000語近くを身につけるんですね。ネイティブ並みの英語力をつけるとなると、なかなか気の遠くなる話です。

もっとも、ボキャブラリーといっても能動的なものと受動的なものがあります。能動的なものは、じぶんから表現として発信するときにつかいこなせる単語のことです。受動的なものとは、じぶんの表現としては頭からでてこないけど、会話や本の中にでてきた場合に理解できる単語のことです。この4万2千語という平均値はどうやら受動的なもののようですから、実際にかわされる会話のなかででてくることはすくなそうです。

その一方、これは辞書の見出し語をベースに調査されたものですから、スラング好きのネイティブをかんがえると、この調査にネイティブのボキャブラリーがおさまるようにもおもえないのがなやましいところです。英語圏(Anglosphere)のYouTuberをみていると、スラングの連発ですからね。平均の4万2千語をただ暗記しただけでは理解に苦しみそうです。