感覚器系についての基本の基本(皮膚) — 医療通訳資格試験にむけて

皮膚と皮膚付属器(毛や汗腺など)をあわせて、外皮系(the integumentary system)として区分することもある皮膚ですが、図をみせて各部位の名前をかかせる形の問題として、医療通訳の試験にでる可能性は低いといえるでしょう。なぜならば、問題として出すとなると、かなり細かい部位についての知識を問わなければならないからです。

といっても、医療通訳技能検定(一般社団法人日本医療通訳協会実施)についてだけいえば、かなりディテールにふみこんだ問題設定をする傾向に、ここ数回はあります。ですので、医療通訳技能検定にかぎっては、問題としてでることは絶対にないといいきることはできません。それでも、試験対策をするうえで、優先順位はひくくしてもいいかとおもいます。

むしろ、皮膚については、疾患をおさえておくことがたいせつでしょう。皮膚は外部環境に常にさらされています。免疫という人体がもっている機能から考えると、皮膚は物理的防御の第一の関門としてからだをまもる役割をになっています。そのために、皮膚にはおおくの異常がおこります。その点では、消化器系の疾患とともに、おおくの方が、個人的に身をもって経験をしたおぼえがあるでしょう。

また、からだの内部でおこり、医学の進歩にしたがって、判明した疾患とちがい、皮膚の疾患はそれと目につくことから、むかしから認識されていたものがすくなくありません。そのために、むかしからの俗称がおおいことが特徴です。こういった俗称については、代表的なものをおさえておくことをおすすめします。

|触覚|しょっかく|sense of touch, (tactition)|
|:—-|:—-|:—-|
|表皮|ひょうひ|epidermis|
|真皮|しんぴ|dermis, corium|
|皮下組織|ひかそしき|subcutaneous tissue, superficial fascia, hypodermis, subcutis|
|皮膚|ひふ|skin|
|皮膚付属器|ひふふぞくき|skin appendage|
|毛幹|もうかん|hair shaft|
|汗腺|かんせん|sweat gland, sudoriferous gland, sudoriparous gland|
|皮脂腺|ひしせん|sebaceous gland|

【参考資料】
「まんが 人体の不思議 」(ちくま新書1256)
「これでわかる! 人体解剖パーフェクト事典」(ナツメ社)
「カラー図解 人体解剖英単語辞典」(ナツメ社)
「しくみが見える体の図鑑」(エクスナレッジ)