Google検索でクオーテーションマークをつかう

自分が医療英語・医療通訳をまなび、それをこういったブログなどで発信していくなかで、なるべく情報ソースは明かしていきたいとかんがえています。まなびというものは、基本的に切磋琢磨することで積みかさなっていくものだとおもいます。ですので、自分もいろいろなことを他の方からまなびたいですし、自分のまなんだことや方法をつたえることで、他の方のまなびのお手伝いをできればとかんがえています。

とはいえ、いろいろとあちこち調べて、いろいろとメモ書きをした自分のノートをみていると「あれっ、これどこでみつけたんだっけ?」とおもうことがすくなくありません。たとえば、自分のノートに、こんなことが書かれていました。

「障害(disorder): 機能の混乱もしくは異常」

どこで、この定義をみつけたのか、まったくおぼえていません。

「Wikipediaだったかな」などとおもいながら、こんなときは、インターネット時代の情報ソースその1、Googleです。ググってみると、このページが引っかかりました。全然おぼえがありません。こまったものです。でも、ウェブページを読むと「障害(disorder)」とあり、その説明として、ズバリ「機能の混乱もしくは異常のこと」とあります。おぼえてないんですよね。同じ情報ソースをつかっているのか、それとも、ここが情報ソースだったのか。

ところで、こういった一文をしらべたいときは、クオーテーションマーク(”)をつかいましょうね。「機能の混乱もしくは異常」という文を一かたまりとしらべたいときは、こんな風にクオーテーションマークでかこむんです。しっている人はしっているのですが、しらない人もけっこういるようなので、情報ソースその2ということでおつたえします。

クオーテーションマークでかこむのと、かこまないのと、そのちがいはなにか、上の例にそって説明します。かこんだ場合は「機能の混乱もしくは異常」という文が一かたまりでのっているウェブページをさがしてくれるんです。かこまない場合は、「機能」とか「混乱」、「異常」なんて言葉が、バラバラに持っているウェブページも検索結果にでてくるんです。

日本語は助詞でくっついているんでわかりづらいかもしれませんね。英語でみてみましょう。たとえば、「development disorder」(発達障害)という言葉を検索してみます。Googleでクオーテーションマークでかこんで検索すると、「development disorder」という言葉のでているウェブページを探していることがわかります。一方、かこまないで検索をすると、developmentとdisorderの2つの言葉がバラバラにのっているウェブページも検索結果にでてきます。ですので、どうしても「development disorder」(発達障害)という言葉をしらべたければ、クオーテーションマークでかこむほうがべんりです。

しっている人にしてみれば、なんてことない話なんですけど、しらなかった方は便利ですから、ぜひおためしあれ。

更年期障害の症状はさまざま(2)

国内の評価方法の例

ちなみに国内には、「東京医科歯科大学方式簡略更年期指数(SMI)」と呼ばれる評価票があります。「顔がほてる」「汗をかきやすい」「腰や手足が冷えやすい」「息切れ、動悸がする」「寝つきがわるい、または眠りが浅い」「怒りやすく、いらいらする」「くよくよしたり、憂うつになる」「頭痛、めまい、吐き気がよくある」「つかれやすい」「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」といった10項目について、それぞれ「強(10点)」「中(6点)」「弱(3点)」「無(0点)」と自己採点をします。やや精神症状にかたよっている印象を受けますが、こうやって定量化して下のように評価します。

自己採点 評価
0点~25点 上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26点~50点 食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。
51点~65点 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81点~100点 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。

[参考資料]
「働く女性の月経関連障害及び更年期障害のQWL(QualityofWorkingLife)に及ぼす影響に係る研究・開発、普及」研究報告書(独立行政法人 労働者健康福祉機構・平成25年12月)

また、日本産婦人科学会では「日本人女性の更年期症状評価表」という評価法をとり、8分野(熱感・不眠・神経質憂うつ・倦怠感・記憶障害・胸部症状・疼痛症状・知覚異常)の22項目について段階評価をします。

男性に更年期障害はあるの?

ところで、男性の更年期障害について、ここ数年話題になることがありますが、ドイツの有力紙「SPIEGEL」は、製薬会社のつごうでつくられたものだと報告しています。真相はどこにあるのでしょうか。

更年期障害の症状はさまざま(1)

最近、更年期(the menopause、the climacteric)についてちょっとした機会でYouTubeなどをみてみたら、更年期障害(menopausal disorders、perimenopausal disorders)の症状(symptoms)の多いこと、多いこと、下にいくつかあげてみたけれども、そんなもんじゃないらしい。この先生によると、100以上もの症状があるとか。この動画なんかも、いろいろな症状がおこることを説明しています。

Menopauseという言葉をつかうと、閉経そのものもさすから、やや時期的に限定された感じがしますよね。どちらかというとperimenopauseといったほうが、ことばの上では、日本語の更年期ということばの感覚にちかい感じがするのではないでしょうか。とはいえ、そこは厳密的すぎて、英語圏では素直にmenopauseといっちゃうようですね。

ICD-10には、「Menopausal and other perimenopausal disorders」という項目があるけど、一般的には単にsymptoms of the menopauseとかいうようです。Disordersということばをつかうのはちょっと表現として強すぎるのでしょうかね。

英語 日本語
irritability いらいらしていること、おこりっぽいこと
mood swings 感情の起伏(が激しいこと)
depression うつ(状態)、気持ちの落ち込み
apathy 無感動、(ものごとへの)関心を失うこと
forgetfulness ものわすれ、わすれっぽさ
memory loss 記憶をなくすこと、わすれてしまうこと、記憶喪失
fatigue 疲労、つかれ
dizziness めまい
palpitations 動悸
hot flashes ほてり
night sweats 寝汗、盗汗
heavy sweating 大汗、汗をたくさんかくこと
intolerance to cool temperatures 寒さに耐えられなくなること、(寒がり)
insomnia 不眠(症)
snoring いびき
odd dreams 奇妙な夢をみること
weakened muscles 筋が弱くなること、筋脆弱化
weakened bones 骨が弱くなること、骨脆弱化
muscle aches 筋肉痛
hair loss 脱毛、毛が抜けること
frequent urination 頻尿
breast tenderness 胸がさわられると痛いこと、乳房圧痛
sore breast 胸のいたみ
headaches 頭痛
lack of libido、loss of libido 性欲減退
irregular menstrual periods 生理不順、生理が不規則なこと
vaginal dryness 膣乾燥
painful sexula intercourse 性交時の痛み、性交をすると痛いこと
prolapses (子宮の)脱出症
vaginal discharge 膣分泌物、おりもの
urinary tract infections 尿路感染(症)
incontinence 失禁
sensitve skin 敏感肌、肌が敏感になること
dry hair 髪の乾燥
skin becomes thinner 肌が薄くなる
itching かゆみ
weight gain 体重増加
bloating 膨満(感)
vascular changes (静脈瘤などの)血管病変

からだの機能を流れでみる

からだの中の臓器・器官(organ)は機能(function)によってグループわけをされています。そして、それぞれのグループを器官系(organ system)と呼びます。このうち、からだを維持するのに必要な酸素をとり入れ、必要なくなった二酸化酸素をからだの外に出す器官系を呼吸系the respiratory systemといいます。
 
医学の世界では、こういった器官系の機能を一つの流れでとらえる言葉や概念がしばしばつかわれます。呼吸器系については気道(the airways and the lungs)、消化器系(the digestive system)については消化管(the gastrointestinal [GI] tract/the alimentary canal)、そして、泌尿器系(the urinary system/the renal system)については尿路(urinary tract)がそうです。

こういった流れで機能をとらえる考え方は日本人の考え方にはあうようで、本を読むとよくでていいます。ただ、英語では、それほどでもないのか、消化管をのぞくと、それほどみることはありません。特に”airway”については、呼吸困難時に「気道を確保する」という意味でつかわれることはあっても、日本語のように空気の流れをとらえる形ではつかわれていないようです。

また、こういった流れで機能をとらえるときに、気をつけなければいけないのは、かならずしも器官系とイコールではないという点です。たとえば、消化管をみてみましょう。口(the mouth)から食道(the gullet/esophagus)をとおって胃(the stomach)へ、そして小腸(the small intestine)、大腸(the large intestine)を通過し肛門(the anus)へとつながる一つの管(流れ)として消化という機能をとらえています。しかしながら、消化という機能にとって重要な役割をはたし、消化器系に含まれる肝臓(the liver)や胆嚢(the gallbladder)といった器官は消化管に含まれていません。

尿路についてもみてみましょう。尿を作るといわれる腎臓という器官そのものから尿道がスタートするというよりも、腎臓の一部で実際に尿がでてくる腎杯(the renal calyx/the renal calyces、複数形でつかわれることがおおいです)からはじめるとかんがえられるため(腎臓そのものをふくめるとする考えもあります)、これも泌尿器系そのものとイコールとは言えません。

気道は呼吸器系とイコールです。もっとも、実際に呼吸という機能で使われる口(口腔)は、気道にも呼吸器系にもふくまれず、消化器系にふくんで説明されることがおおいようです(口を両方に含める考えもある)。この点は「鼻からすって、口からはいて」という呼吸法をかんがえると、ある程度は納得がいきます。そうかんがると、気道というのは空気を取りいれる方向でみているということなのでしょうか。

また、こういった流れをとらえた言葉は、しばしば上部(upper)と下部(lower)にわけて理解されます。つまり、上部気道・下部気道、上部消化管・下部消化管、上部尿路・下部尿路といったかたちで分類されることがよくあります。上部消化管内視鏡(upper GI tract endoscopy)などはみなさんもよく聞くことでしょう。

からだのしくみを理解するキーワード: ホメオスタシス(2)

前回は、ホメオスタシスについてわかりやすくとらえるために水分補給を例にあげてお話ししました。例として水分補給をあげたのは、ホメオスタシスの重要な作用のひとつが、からだのなかの体液(body fluid)の量(volume)と組成(composition)を一定に保つことだからです。体液は、細胞内液(intracellular fluid)と、細胞外液(extracellular fluid)または間質液(interstitial fluid)にわかれます。前者はICF、後者はECFと略されて使われますので、おぼえておきましょう。ICFとECFには、酸素や栄養素、たんぱく質や電解質(イオン)などがとけていて、体内で重要な役割をはたしており、バランスをくずすと命が危険にさらされます。血管内をながれるECFが血漿(blood plasma)なのですから、ECFの組成バランスがくずれると、重篤な血管疾患を招くということがわかるでしょう。

ところで、ホメオスタシスが維持されるときには、ネガティブ・フィードバック(negative feedback)というシステムがつかわれます。なぜ、ネガティブといわれるのかというと、血圧(blood pressure)でみてみましょう。なんらかの原因・刺激によって血圧があがってしまった(elevated)状況をかんがえてみてください。ホメオスタシスからみると、これは一定の状態から血圧が上の方向へくずれてしまったということです。ホメオスタシスのためには、上にいってしまった血圧を下にむかわせるという「逆」の方向でくずれた状態をもとの一定の状態にもどさなくてはいけないのです。

このように、からだは常に一定の状態をくずそうという刺激にさらされています。ホメオスタシスを維持するためには、ネガティブ・フィードバックによってくずされた状態を検知する受容器(receptor)から、それを調節するための調節中枢(control center)へと情報がとどき、その状態を逆転させるようという指令が効果器(effector)へとどけられ、逆の方向の調節がおこなわれるのです。

さて、ネガティブ・フィードバックのところで出てきた「指令」ですが、神経(神経系)とホルモン(内分泌系 the endocrine system)によってとどけられます。このため、神経系と内分泌系は、ホメオスタシスの観点からはとてもたいせつな器官系(the organ system)となっています。このため、器官系ごとにまとめられた解剖学(anatomy)や生理学(physiology)の教科書は骨格系(the skeletal system)や筋系(the muscular system)をのぞけば、まず最初に神経系と内分泌系をとりあげるものがおおいようです。

Bozeman ScienceのPaul Andersen先生が神経系内分泌系についてYouTubeにわかりやすい動画をのせているのでおすすめします。

参考資料

  • 「トートラ人体の構造と機能」(丸善)
  • 「しくみが見える体の図鑑」(エクスナレッジ)
  • Bozeman Science