医療の質と患者の安全性を国際的に審査する病院評価機関であるJCI(Joint Commission International)の認定病院の増加ペースが鈍化していることを前回お話ししました。
各年ごとのJCI認定医療機関の増加推移(*2017年3月末現在)
2009 | ’10 | ’11 | ’12 | ’13 | ’14 | ’15 | ’16 | ’17 | ’18* |
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1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 1 | 7 | 4 | 3 | 1* |
今日は、JCIのウェブサイトにしたがって、2018年3月末までに認定された医療機関24(全25施設のうち1施設は介護施設として除外)を地域ごとにみてみましょう。
地方ごとのJCI認定医療機関数(八地方区分)
北海道 | 東北 | 関東 | 中部 | 近畿 | 中国 | 四国 | 九州 |
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1 | 1 | 13 | 3 | 1 | 1 | 0 | 4 |
目だつのは、関東地方への集中ぶりで、東京の6機関、神奈川3機関、埼玉2機関など全JCI認定医療機関の過半数が関東地方にあつまっています。それとくらべると、関西地方は2016年12月に認定されたばかりのマックシール巽病院(大阪府)だけです。京都・奈良・大阪と訪日外国人の急増が話題となっている関西地方だけにとてもすくないという印象をうけます。
九州は4機関と数のうえでは、関東につぐものとなっています。とくに沖縄は2機関となっています。沖縄では国が国際医療の拠点づくりに動いているとの話もあり、医療通訳の需要という点から今後が気になるところです。
2016年には、先ほどのマックシール巽病院が関西地方ではじめてのJCI認定病院となったように、中国地方でも倉敷中央病院が初のJCI認定病院となっています。つづく2017年には石巻赤十字病院が東北地方ではじめて認定をうけており、着実に面としてのひろがりはうまれつつあるようです。