学習ノート – 心膜炎

学習ノートは病気・症状についての覚え書き。医療通訳として、病気・症状についてまなぶべきとかんじたものをひとつひとつ個人的にまとめたものです。でも、完成形ではありません。勉強していくなかで、修正する可能性や、追加すべきものがでてくる可能性がある、つねに進行形のノートです。

心膜炎 pericarditis

心臓をつつむ心膜(心外膜・壁側心膜)とよばれる膜におこる炎症。炎症によって心膜液がふえるが、増えすぎると心タンポナーデという危険な状態になり、心臓が十分にひろがらなくなる。

病因 etiology

原因不明の特発性心膜炎がおおい。そのおおくは、ウィルスによるものとみられる。原因のわかっているものとしては、インフルエンザやコクサッキーなどのウィルスによるものがおおく、ほかに細菌感染や、リウマチ、膠原病、尿毒症などによるものがある。がんの転移によっておこる場合もある。

徴候と症状 signs and symptoms

急性心膜炎は鋭い痛みが特徴。胸骨の内側から、左前胸部にかけて、数時間から数日鋭い痛みがつづく。痛みは、深呼吸をしたり、からだをよじるとつよくなる。一方、すわって前かがみなると軽くなる。痛みは、首や背中、左腕に痛みがひろがることもある。また、みぞおちに痛みを感じることもある。せきや、息切れをともなうことがある。このような症状は、ウィルス性の場合、発熱やせきなどのかぜの症状につづいておこる。

診察法 diagnostic procedures

胸部X線、心電図、心エコー

治療法 treatment

治療法は原因によってことなる。膠原病やがんによるものの場合、原疾患の治療をおこなう。特発性やウィルス性の場合は、有効な治療法がなく安静にするしかない。安静にすると、2週間から6週間で自然治癒する。症状がきつい場合、鎮痛剤や抗炎症薬を投与する。

英語 日本語 Lay Terms
心膜 pericardium heart sac, the lining around the heart
心外膜 epicardium
壁側心膜 parietal pericardium
心膜液 pericardial fluid
心タンポナーデ cardiac tamponade
特発性 idiopathic
コクサッキー・ウィルス Coxsackie virus
細菌感染 bacterial infection
リウマチ(性疾患) rheumatic disease
膠原病 connective tissue disease, CTD
尿毒症 uremia
(がんの)転移 metastasis spread
心電図 electrocardiogram, ECG/EKG
心エコー echocardiography
胸部X線 chest radiography chest X-ray

参考動画

Pericarditis & Chest Pain

参考資料

※参考資料にもとづいて医療英語・医療通訳の勉強のためにつくられた資料です。実際の治療や、検査のために、つくられた資料ではありません。病気・疾患になやまれたばあい、きちんと病院で治療をうけてください。