国内のJCI認定病院の増加が減速か

医療界のISOともいわれるJCI(Joint Commission International)による国内認定施設については「JCI認定病院が2015年だけで7施設ふえて全部で18施設へ」で2016年3月現在のものをご紹介しました。

JCIのウェブサイトを確認すると、2016年11月24日現在、1施設ふえて19施設となっています。あらたにくわわったのは、8月27日に認証を受けた湘南藤沢徳洲会病院で、これでことしは2施設ふえたことになります。2015年だけで7施設ふえたことをかんがえると、やや勢いがおさまったようです。

もっとも、2015年は12月だけで4施設ふえているので、ことしののこり1カ月ちょっとでふえないとはかぎりません。国内病院の経営はこんごもきびしい状況がつづくことから経営努力の一環としてJCI認定取得をえらぶ病院をすくなくないとみられるからです。

病院名 英名 認定日 都道府県
亀田総合病院 Kameda Medical Center 2009年8月8日 千葉県
NTT東日本関東病院 NTT Medical Center Tokyo 2011年3月12日 東京都
介護老人保健施設老健リハビリよこはま Geriatric Health Services Facilities Yokohama 2012年3月29日 神奈川県
聖路加国際病院 St. Luke’s International Hospital 2012年7月14日 東京都
湘南鎌倉総合病院 Shonan Kamakura General Hospital 2012年10月27日 神奈川県
総合病院聖隷浜松病院 Seirei Hamamatsu General Hospital 2012年11月17日 静岡県
相澤病院 Aizawa Hospital 2013年2月16日 長野県
メディポリス国際陽子線治療センター Medipolis Proton Therapy and Research Center 2013年9月13日 鹿児島県
済生会熊本病院 Saiseikai Kumamoto Hospital 2013年11月23日 熊本県
葉山ハートセンター Hayama Heart Center 2014年3月6日 神奈川県
東京ミッドタウンクリニック Tokyo Midtown Clinic 2015年1月31日 東京都
足利赤十字病院 Japanese Red Cross Ashikaga Hospital 2015年2月7日 栃木県
埼玉医科大学国際医療センター Saitama Medical University International Medical Center 2015年2月7日 埼玉県
順天堂大学医学部附属順天堂医院 Juntendo University Hospital 2015年12月12日 東京都
国際医療福祉大学三田病院 IUHW Mita Hospital 2015年12月19日 東京都
南部徳洲会病院 Nanbu Tokushukai Hospital 2015年12月19日 沖縄県
札幌東徳洲会病院 Sapporo Higashi Tokushukai Hospital 2015年12月19日 北海道
倉敷中央病院 Kurashiki Central Hospital 2016年3月12日 岡山県
湘南藤沢徳洲会病院 Shonan Fujisawa Tokushukai Hospital 2016年8月27日 神奈川県

fMRIによるとイヌはひとのことばを理解しているらしい、猫はどうだろう

fMRIってしっていますか。functional magnetic resonance imagingといって、磁気共鳴機能画像法とか訳されている検査です。機能をきちんと説明しようとすると、たいへんなので、ここらへんWikipediaあたりをよむといいでしょう。ざっくりというと、脳における血流量と酸素の代謝量をMRIで観測して、脳のどの部分がある動作や思考をしているときにつかわれているかということを観測する技術のことです。脳のある部分がつかわれると、その部分の神経細胞が活動し、酸素をたくさん必要になるためにこういったことがわかるんですね。

今月のあたまに、日経新聞系のナショナル・グラフィック日本語版が「イヌは飼い主の言葉を理解している、脳研究で判明」との記事を出しました。fMRIをつかって、イヌの脳をしらべたところ、はなしかけると、イヌの脳(”the canine brain”)もにんげんとほぼおんじうごきをしめす(情報処理をする)ということがわかったとのことです(”scientists found the canine brain also processes the information in a similar way as humans.”)。つまり、ひとの会話において重要な2つの要素、ことばのそのもの(”the word”)と抑揚(”the intonation”)の両方を、イヌもきちんととらえているということがわかったというのです。イヌ好きとしては、うれしいニュースではないでしょうか(記事のオリジナル版はこちら

イヌをMRI装置のなかで、おとなしくさせるというのは、そうとうな苦労があったとおもいます。記事によると、調教師は数ヶ月をこの「離れわざ」のためにハンガリーの13匹のペットイヌにかけたそうです(”It took several months for dog trainers to work their magic on 13 pet dogs that live in Hungary”)。

ところで、気になったのは、イヌとならぶ、ペットの代表格、ネコをしらべたら、どうなるのかということです。自分勝手で気ままといわれるネコをしらべたら、もしかしたら、ひとはひとでも、KYなひととおなじ反応を脳がするのではと勝手な想像をしてしまいました。といっても、自分勝手なネコのことですから、MRI装置のなかで、おとなしく実験につきあってくれるとはおもえませんけどね。

fMRIについては、つい先日ソフトウェアの欠陥(”software flaws”)から何千という研究データが無駄になるのではないかという報道がありました。よくつかわれているSPM、FSL、AFNIというデータ解析パッケージにソフトウェアの欠陥があり、この手法をつかうと、偽陽性を常に出力してしまい、5割以上の結果でエラーがでてしまうというのです(”some software flaws in the popular fMRI data analysis packages SPM, FSL and AFNI meant this technique routinely produced false positives, resulting in errors 50 per cent of the time or more.”)。

今回のイヌの実験結果がこの問題の影響をうけているとはみえませんが、どれだけの研究がこの欠陥の被害をこうむったのでしょうか。

FDAがトリクロサンとトリクロカルバン配合の殺菌石鹸の販売を禁止

ニューヨーク・タイムスの報道によると、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)がトリクロサン(triclosan)とトリクロカルバン(triclocarban)配合の殺菌石鹸の販売を禁止したそうです。そもそも、2013年に販売禁止を提案したそうですが(”The agency first proposed the rule in 2013″)、いままで各メーカーに有効性について証明する時間をあたえていたとしています。しかしながら、これらの化学成分を配合した石鹸の長期使用での安全性についてあきらかにすることができず、通常の石鹸と水をつかった場合との比較による優位性についても証明することができなかったので(”industry had failed to prove they were safe to use over the long term or more effective than using ordinary soap and water.”)、販売禁止を決定したとなっています。

動物実験では、トリクロサンとトリクロカルバンが生殖器系と代謝の正常な発達を阻害することがわかったそうで(”triclosan and triclocarban can disrupt the normal development of the reproductive system and metabolism”)、人間においても同様の結果をもたらすと、専門家はみているとのことです。

驚くことに、石鹸やマウスウォッシュを介して、体内にかなり吸収されているらしく、アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)によると、米国人の4分の3分の尿でこれらの化学成分は検出されているそうです(”The Centers for Disease Control and Prevention found the chemicals in the urine of three-quarters of Americans.”)。

ところで、日本ではどうなのかとみていると、結構いろいろな製品につかわれているんですね。トリクロサンはこういったおおくの製品につかわれていますし、トリクロカルバンがつかわれている製品もすくなくありません。健康コンシャス、環境コンシャスなひとたちの間では、以前から「買ってはいけない」といわれていたようですが、こんごはどうなるのでしょうか。

新医療通訳学校の第2回説明会をおこないます

8月22日の第1回説明会につづき、8月27日土曜日に新医療通訳学校の説明会をおこないます。

第2回説明会

  • 日時 8月27日14:45-15:45(午後2時45分-4時45分)
  • 場所 東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル 3F 2号室(1階 CafeRenoir ニュー八重洲北口店)
  • 1時間程度を予定しています。

シルバーウィーク(9月第4週)明けに2コースを用意して、開講いたします。

医療通訳 101

英語の見直しからはじめる8週間(全16回)の入門コースです。
– 入学金 10,000円
– 授業料 138,000円
– 授業時間 月曜日・水曜日 18:15-20:45

医療通訳に興味はあるが、英語に自信がないという方むけのコースです。基礎的な英語を見直しながら、医療通訳にとって必要な英語による医療知識・表現を学んでいきます。とくに医療従事者・医療関連企業在職者にとっては、すぐに現場で活かせる知識が身につけられるうえ、将来的なキャリアプランにも役立ちます。

シニア向け医療通訳入門

シニア世代の課題に合わせた8週間(全16回)のコースです(シニア以外の方も受講できます)
– 入学金 10,000円
– 授業料 138,000円
– 授業時間 月曜日・水曜日 15:15-17:45

シニア世代の方で、ご自身の英語力を社会のために役立たせたいとおかんがえの方に最適のコースです。「医療通訳 101」のカリキュラムにそって、基礎的な英語力の見直しをしつつ、英語での医療知識・表現をまなびます。シニア世代の課題やテーマを盛り込んでいます。

新医療通訳学校が2コースを用意した理由・医療通訳をとりまく環境については説明会でおつたえします。

ご参加をご希望の方は、こちらからお申し込みください。

医療通訳の学校の説明会をひらきます

「医薬通訳翻訳ゼミナール(仮称)」を開校いたします。つきましては第1期として、シルバーウィーク明けの10月3日に医療通訳養成クラスを開講いたしますので、説明会をおこないます。日時・場所は以下のとおりです。

第1回説明会

  • 日時 8月22日18:45-19:45(午後6時45分-7時45分)
  • 場所 東京都中央区八重洲1-7-4 矢満登ビル 3F 2号室(1階 CafeRenoir ニュー八重洲北口店)

ご参加をご希望の方は、当ウェブサイトのContactページのお問合せフォームからお申し込みください。

今期のクラスは、2コースを用意しています。

医療通訳 101

英語の見直しからはじめる8週間(全16回)の入門コースです。
– 入学金 10,000円
– 授業料 138,000円
– 授業時間 月曜日・水曜日 18:15-20:45

シニア向け医療通訳入門

シニア世代の課題に合わせた8週間(全16回)のコースです(シニア以外の方も受講できます)
– 入学金 10,000円
– 授業料 138,000円
– 授業時間 月曜日・水曜日 15:15-17:45

説明会では、医療通訳をとりまく現状・課題にふれながら、新学校がめざしているところと、2コースの内容についておつたえします。

民間資格の取得にむけて基礎から

当校では、受講生の医療通訳の民間資格の取得をサポートしていきます。さらに、民間資格の取得後に横にひろがっていく医療通訳のネットワークづくりを支援します。

医療通訳の勉強をしている方をみていると、基礎的な英語力が不足している人がすくなくありません。そういった点からかんがえて、英語の見直しをふくめて、かなり基礎的なところから授業を進めていこうとかんがえています。

とくに医療機関・医療関連企業につとめているかたで、外国人患者をサポートしたいので医療通訳の勉強はしたいけれども、英語そのものについてやや不安があるという方にとっては、最適なコースを用意いたします。

医療にたずさわる方にまずはがんばってほしい

医療の現場で仕事にたずさわる医師や看護師、検査技師・放射線技師、薬剤師、理学療法士などの方たちが、現場でじかに接する外国人患者を日本人とおなじ水準でサポートするために、ぜひとも医療通訳としてのスキルを身につけてほしいと願っています。

また、将来的な転職や、キャリアアップにも、医療通訳をまなぶなかで得た知識はかならず役立ちます。外国人患者をサポートする能力をもつことは、今後ますます外国人患者がふえることが予想されるなかで、必要な人材となっていくはずです。医療従事者の方が医療通訳の勉強にたいして投資をすることはとても意味のあることだとかんがえます。

シニア世代に力を発揮してほしい

高齢化がすすむ日本では、シニア世代の方たちの力が社会で発揮されることがどの分野でもとても重要です。英語能力をもつシニア世代の方はとても貴重な人材です。その能力を医療の分野にむける投資をすれば、医療通訳として社会に貢献できることは間違いありません。

人材が不足している医療通訳の分野で、シニア世代の方が貢献してくれることは、とても、有意義なことでしょう。東京オリンピックにむけて、医療通訳が必要となる現状ではなおさらだとかんがえます。