disease? illness? sickness? (2)

(1) で触れたいくつかのサイトですが、それぞれの単語の意味についての見解には、やや違いがあります。もっとも、diseaseに関してはほぼ見解が一致してるようです。つまり、diseaseは、診断された「病気」だと言うことです。別の言い方をすると、医師が病理学的に患者の健康状態を診察した上で診断したという意味での「病気」であると言うことです。ちなみに「病理学」とは、高知大学医学部・病理学講座によると「病気になった原因を探り、病気になった患者の身体に生じている変化が、どのようなものであるかを研究する学問分野」ということです。

diseaseとは「重篤であったり、不治ものと受け止められがちであり、illnessはインフルエンザなどの一時的な不健康状態」という見解や、原因がはっきりしている病気を指すという見解もあります。しかし、必ずしもそうとはいえなそうです。例えば、メイヨ・クリニックが一般向けに出しているインフルエンザの説明ではインフルエンザはdiseaseとなっています。また、idiopathic 特発性のdiseaseもあります。あくまでdiseaseとは客観的(患者の訴えだけでなく医師の診断が入ると言うこと)な意味を持つという点が重要でしょう。医師が「病気です」と診断した際には、特定の病名でない限り素直にdiseaseを訳語として選択することがよいでしょう。

ちなみに、subjective 主観的と objective 客観的というのは、医療行為を理解する上でとても大事なポイントです。symptoms 症状というのは、多くの場合、患者が経験するとても主観的なものです。患者から症状についての complaints 訴えに耳を傾けながら医師は診察をし、findings 所見として客観的な形でまとめ、診断を下します。このプロセスを理解すると、医療通訳をしていても、流れがつかみやすくなります。

次回はsicknessとillnessについて、みてみましょう。

disease? illness? sickness? (1)

一口で「病気」と行っても、いろいろな表現がありますね。diseaseやillness、sicknessなどは誰しも思いつくでしょう。この他にailmentなんて言葉もあります。どれを選んだらいいんだろうと悩む人も多いし、違いは何なんですか、と質問をしてくる人もいます。

diseaseとillness、sicknessという3つの単語については、その使い方に悩むのは当然でしょう。ネットを検索してみれば、違いが何なのかと質問をしている方が数多くいることが分かります。3つの単語の意味を切り分けることの難しさは、定義付けに関する論文をエジンバラ大学の先生が書いていることや、カナダの医学校教職員の団体であるAFMCがウェブサイトで言及していることでもわかります。こういった事実を考えれば、英語学習者だけの問題ではないということがお分かりになるでしょう。

この他、日本語ではこちらのサイトが図をつかって丁寧に説明しています。日常的な意味であれば、こちらのオーストラリア人の先生が簡潔に説明しています。

ここで紹介したサイトや論文の説明をみても分かりづらいことがあると思います。そこで、次回はもう少しくわしく言葉の違いをみていきたいと思います。

とっても暗い森だけど、散歩をするつもりで

医療英語を勉強しているとどの言葉(単語)が適切なのか混乱してしまう、そんな経験をしたことがないでしょうか。1つの単語にいくつものまったく違った言葉が辞書に並ぶ。英→和にしても、和→英にしても。しかも、辞書やネットで調べて得た英単語をさらに検索にかけても、一向に引っかかってこない。つまり、実際に使われている様子はほとんどない。多くの方がこんな経験をしているのではないでしょうか。

こんなことを私も経験してきました。そして、今も経験しています。言語を学ぶということはいつでも現在進行形だと思います。医療英語の場合、それはなおさらと言えるでしょう。このブログでは、私が学んで来たこと、学んでいることをシェアしたいと考えています。少しでも、医療英語を学ぶ方たちにとって有益なものになればと希望しています。