学習ノート – 心臓神経症

学習ノートは病気・症状についての覚え書き。医療通訳として、病気・症状についてまなぶべきとかんじたものをひとつひとつ個人的にまとめたものです。でも、完成形ではありません。勉強していくなかで、修正する可能性や、追加すべきものがでてくる可能性がある、つねに進行形のノートです。

心臓神経症 cardiac neurosis, Da Costa’s syndrome

心臓病によくみられる症状を患者が訴えているにもかかわらず、心臓に器質的、機能的な異常が認められない状態を心臓神経症と呼ぶ。

病因 etiology

心臓病への恐怖心がもともとあったところに、ストレス、過労がきっかけとなって発症するとかんがえられる。神経質なひとや無力性体質のひとにおこりやすい。心電図の検査で、ちょっとした異常が指摘されたことがきっかけで発症することがすくなくない。

徴候と症状 signs and symptoms

胸痛、動悸、息切れといった循環器症状のほか、めまい、手足のしびれ、つかれやすい、頭痛、不眠、不安といったさまざまな症状を患者は訴えることがほとんど。胸痛は、心臓のあたりが重苦しい、あるいはちくちくすると訴えることがおおく、運動時(労作時)よりも安静時におこる場合がすくなくない。持続時間がながいことも特徴で、数分から数十分つづいてから元にもどる。過換気症候群をともなう場合が、とくにわかい女性の場合はおおい。

診察法 diagnostic procedures

鑑別診断のために、通常の心臓病の検査をおこなう。さらに呼吸器系や食道、内分泌系、血液などの疾患の可能性も確認する。狭心症との区別がむつかしい場合、ニトログリセリン舌下錠を発作時に服用させて、効果をみて診断することもある。

治療法 treatment

患者に心臓には問題がないことを理解してもらうことがもっとも重要。そのためには、医師と患者とのあいだで信頼関係をきずくことがたいせつになる。ストレスや過労などきっかけとなったものはなにかを理解し、それを取りのぞくように指導する。患者の状態によっては、精神科医による治療も必要となる。

英語 日本語 Lay Terms
器質的 structural、mechanical、organic
機能的 functional
心臓病への恐怖心 cardiophobia fear of heart disease
ストレス stress
過労 overwork
神経質 sensitive, nervous
無力性体質 asthenic habitus
心電図 electrocardiogram, ECG/EKG
循環器症状 cardiovascular symptom
めまい giddiness, dizziness
手足のしびれ numbness in the the limbs
つかれやすい fatigability tendency to get tired easily
不眠 insomnia difficulty sleeping
不安 anxiety
ちくちくする prickling sensation, stinging sensation
労作時 on exertion
安静時 at rest
過換気症候群 hyperventilation syndrome
鑑別診断 differential diagnosis, DD
呼吸器疾患 respiratory disease
内分泌疾患 endocrine disease
血液疾患 blood disorders
狭心症 angina pectoris, angina, AP
ニトログリセリン nitroglycerin
舌下錠 sublingual tablet

参考資料

※参考資料にもとづいて医療英語・医療通訳の勉強のためにつくられた資料です。実際の治療や、検査のために、つくられた資料ではありません。病気・疾患になやまれた場合、きちんと病院で治療をうけましょう。