JCI認定病院の増加、2017年は3機関だけ

医療界のISOともいわれるJCI(Joint Commission International)による国内認定機関については、「JCI認定病院が2015年だけで7施設ふえて全部で18施設へ」(2016年3月現在)と、「国内のJCI認定病院の増加が減速か」(2016年11月現在)、「JCI認定病院、2016年は3機関の増加にとどまる(4機関に1月31日修正)」(2017年1月現在)といまままでご紹介してきました。

JCIのウェブサイトによると、日本国内の認定病院(認定機関の1つは介護施設)は2017年末現在で23病院となっています。前年比では、3医療機関の増加(石巻赤十字病院・中部徳洲会病院・彩の国東大宮メディカルセンター)でした。2015年の7機関増をピークに、2016年の4機関増と、増加ペースが鈍化していっています。

グローバルな認知度をたかめるために有効とされているJCI認定(JCI Accreditation)についての関心は、医療機関の間で依然として高いといわれています。それなのに、認定医療機関の数がなかなかふえていかないというのは、認定取得のコストの大きさがハードルになっているのかもしれません。

もっとも、2018年はすでに名古屋第二赤十字病院が認定機関となっています。増加ペースはともかくとして、これからもJCI認定病院の数が増えつづけることは期待できそうです。

病院名 英名 認定日 都道府県
亀田総合病院 Kameda Medical Center 2009年8月8日 千葉県
NTT東日本関東病院 NTT Medical Center Tokyo 2011年3月12日 東京都
介護老人保健施設老健リハビリよこはま Geriatric Health Services Facilities Yokohama 2012年3月29日 神奈川県
聖路加国際病院 St. Luke’s International Hospital 2012年7月14日 東京都
湘南鎌倉総合病院 Shonan Kamakura General Hospital 2012年10月27日 神奈川県
総合病院聖隷浜松病院 Seirei Hamamatsu General Hospital 2012年11月17日 静岡県
相澤病院 Aizawa Hospital 2013年2月16日 長野県
メディポリス国際陽子線治療センター Medipolis Proton Therapy and Research Center 2013年9月13日 鹿児島県
済生会熊本病院 Saiseikai Kumamoto Hospital 2013年11月23日 熊本県
葉山ハートセンター Hayama Heart Center 2014年3月6日 神奈川県
東京ミッドタウンクリニック Tokyo Midtown Clinic 2015年1月31日 東京都
足利赤十字病院 Japanese Red Cross Ashikaga Hospital 2015年2月7日 栃木県
埼玉医科大学国際医療センター Saitama Medical University International Medical Center 2015年2月7日 埼玉県
順天堂大学医学部附属順天堂医院 Juntendo University Hospital 2015年12月12日 東京都
国際医療福祉大学三田病院 IUHW Mita Hospital 2015年12月19日 東京都
南部徳洲会病院 Nanbu Tokushukai Hospital 2015年12月19日 沖縄県
札幌東徳洲会病院 Sapporo Higashi Tokushukai Hospital 2015年12月19日 北海道
倉敷中央病院 Kurashiki Central Hospital 2016年3月12日 岡山県
湘南藤沢徳洲会病院 Shonan Fujisawa Tokushukai Hospital 2016年8月27日 神奈川県
三井記念病院 Mitsui Memorial Hospital 2016年11月20日 東京都
マックシール巽病院 McSYL Tatsumi Clinic & Hospital 2016年12月16日 大阪府
石巻赤十字病院 Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital 2017年1月28日 宮城県
中部徳洲会病院 Chubu Tokushukai Hospital 2017年2月25日 沖縄県
彩の国東大宮メディカルセンター Sainokuni Higashiomiya Medical Center 2017年7月29日 埼玉県
名古屋第二赤十字病院 Japanese Red Cross Nagoya Daini Hospital 2018年3月3日 愛知県

「こわいもの知らずの病理学講義」で病気をしろう

病気・疾患について理解することは、医療通訳にとってたいせつなことですが、そもそも病気ってなんなんでしょう。ひとに説明できますでしょうか。どうでしょうか。とてもたいせつだけど、とっても基本的なことって意外に説明できない、ってかんじる方もいるのではないでしょうか。

そんな基本的なこともふくめて、病気についていろいろおしえてくれるのが「こわいもの知らずの病理学講義」(晶文社)です。1年半ほどの間(2017年9月〜2018年3月)で15刷ですから、なかなかのベストセラーです。自分は本をよむのがそれほど早くはないのですが、しりたかったことがいろいろと取りあげられていて、とてもおもしろかったので、あっという間によみおわりました。がんや、免疫療法については、目からウロコの発見もありました。

著者は、大阪大学医学部の仲野徹先生という病理学をおしえている方です。病理学って、なんだろうって首をかしげた方もいるかもしれません。この本も、そんな方のためにまず「病気はどうしてできてくるのかについての学問」だという病理学の説明からはじまります。そして「ごくおおざっぱにいうと、病気になるということは細胞が傷(いた)むということ」といって、細胞のいたむ原因や、その過程などについていろいろな例をあげて説きあかつつ、がんの先進・先端医療まで取りあげています。

ときに説明はとても専門的なところにはいっていきます。仲野先生自身も、専門的すぎるところは「気にせずとばして」よんでいいんだといっています。だから、そんなところはとばしてよめばいいんです。そんなことしても、勉強になるところはたくさんあります。がん治療への効果についておおきく期待されている分子標的薬については、この本をよむことで、いままでの疑問がとけました。これから何度もよみかえす本になりそうです。

医療通訳としては、ひとつひとつのことばに、「これって英語でいえばなんというんだろう」とおもいながらよみました。そこで、ついつい単語帳をつくってしまいました。単語帳をつくりながら、どうせだったら、ほかの方もつかえるようなものなればいいかなとおもい、じぶんがしっているような単語でも、医療用語であれば、なるべく単語帳に加えました(その結果、330語をこえてしまいました!)。このブログエントリーの一番下にありますので、ぜひ参考にしていただければとおもいます。

なお、単語帳は1語に1語といったかたちになっています。しかし、「単語表を作るときは1語に1語に注釈なしは無理がある」でもかきましたが、実際につかううえで、形容詞を名詞とまちがう可能性があるなど、1語に1語はベストな形式ではありません。自分自身の単語帳にくみいれるなど、この単語帳をベースにそれぞれの方がアレンジしながら、自分自身の勉強に取りいれていくのがいいでしょう。

また「医療用語は患者につうじない? — イギリスの調査をみる」でもおつたえたとおり、専門用語をそのまま患者にぶつけても、理解をえることはむつかしいでしょう。そういった場合、医師に単語の説明をうながすか、通訳が介入して言いかえをするのかは、それぞれの判断がもとめられるでしょう。いずれの場合でも、言いかえができる準備ができることもたいせつでしょう。そういった意味でも、このブログをよんでいる方が、「こわいもの知らずの病理学講義」と、下の単語帳を踏み台として、医療英語力をたかめていくことができればとかんがえています。

参考資料
Miller-Keane Encyclopedia and Dictionary of Medicine, Nursing, and Allied Health
医学大辞典 第2版(医学書院)
医学英和辞典 (研究社)
ウィキペディア英語版

(DNAの)鋳型 template
(遺伝)形質 trait
(細胞の)未分化 anaplasia
Bリンパ球 B cell
CDK阻害因子 CDK inhibitor
Tリンパ球 T cell, T lymphocyte
アデニン adenine
アナフィラキシー anaphylaxis
アフラトキシン aflatoxin
アポトーシス apoptosis
イニシエーター initiator
ウィルス感染 viral infection
ウィルヒョウ(ウィルヒョーとも)の三要素 Virchow’s triad
うっ滞 stasis, stagnation
エコノミークラス症候群 economy class syndrome
エピジェネティックス epigenetics
カテーテル catheter
カルテ chart, medical record
がん遺伝子 oncogene
がん抑制遺伝子 tumor suppressor gene, antioncogene
キナーゼ kinase
ギプス cast
グアニン guanine
くも膜下出血 subarachnoid hemorrhage/SAH
ゲノム genome
ゲノム解析 genome analysis
コドン codon
サーチュイン sirtuin
サイクリン cyclin
サブクローン subclone
シトシン cytosine
センチネルリンパ節生検 sentinel node biopsy
チアノーゼ cyanosis
チミン thymine
テロメア telomere
テロメラーゼ telomerase
ドライバー遺伝子 driver gene
ナチュラルキラー細胞 natural killer cell, NK cell
パッセンジャー遺伝子 passenger gene
ヒトパピローマウィルス human papillomavirus
プラーク plaque
プレシジョン・メディシン precision medicine
プロモーター promoter
ヘマトクリット hematocrit/Ht/HCT
ヘモグロビン、血色素 hemoglobin
ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pylori
マスト細胞、肥満細胞 mast cell
ミスマッチ修復酵素 mismatch repair enzyme
メス scalpel
メチル化 methylation
モノクローナル抗体 monoclonal antibody
ヨウ素 iodine
ランダム化比較検査 randomized controlled trial, randomized control trial
リガンド ligand
リンパ管 lymphatic vessel, lymph vessel
リンパ行性転移 lymphogenous metastasis
リンパ節 lymph node
悪性 adj. malignant
悪性リンパ腫 malignant lymphoma
悪性化 transformation
悪性新生物 malignant neoplasm
悪性貧血 pernicious anemia
圧痕浮腫 pitting edema
意識障害 consciousness disturbance
胃潰瘍 gastric ulcer
胃粘膜細胞 gastric mucosal cell
萎縮 atrophy
遺伝性球状赤血球症 hereditary spherocytosis
遺伝性非ポリポーシス大腸がん hereditary non-polyposis colorectal cancer/HNPCC, Lynch syndrome (リンチ症候群: こちらをつかうほうが適切であるとの見方がある)
遺伝的異常 genetic disorder
陰性 negative
疫学 epidemiology
塩基 塩基
塩基配列 base sequence
可逆的 adj. reversible
家族集積性 familial aggregation
過形成 hyperplasia
解糖 glycolysis
壊死 necrosis
壊死巣 focus of necrosis, lesion of necrosis, focal lesion of necrosis
外因性 exogenous
外因性経路 exogenous pathway
外部被曝 external exposure
核酸 nucleic acid
活性化 activation
活性酸素 reactive oxygen species/ROS
stock
粥状硬化 atherosclerosis
冠(状)動脈 coronary artery
寛解、緩解 remission
幹細胞 stem cell
感度 sensitivity
肝硬変 cirrhosis (of the liver)
肝細胞がん hepatocellular carcinoma
間質結合組織 interstitial connective tissue
癌腫 carcinoma
器質的疾患 organic disease
基底膜 basal lamina
寄生虫 parasite
機能障害 functional disorder
機能的疾患 functional disease
気管支 bronchus
逆転写酵素 reverse transcriptase
逆平行鎖 antiparallel strand
巨核球 megakaryocyte
巨赤芽球性貧血 megaloblastic anemia
虚血 ischemia
虚血再灌流障害 ischemia-reperfusion injury/IRI
虚血性心疾患 ischemic heart disease
狭窄 stenosis, stricture, constriction(日本語「狭窄」の訳語は部位によってちがうので、narrowingがもっとも普遍的)
凝固因子 coagulation factor, clotting factor
凝固壊死 coagulation necrosis
凝固能亢進 hypercoagulability
凝集 aggregation
極性 polarity
空気塞栓(症) air embolism, aeroembolism
形質発現 expression
経路 pathway, route
血管拡張 vasodilation
血管新生 angiopoiesis
血管透過性 vascular permeability
血管内皮 vascular endothelium
血管内皮の傷害 endothelial injury
血管縫合 angiorrhaphy, suture of a blood vessel
血行性転移 hematogenous metastasis
血小板 platelet
血小板無力症 thrombasthenia
血栓 thrombus; pl. thrombi
血栓塞栓症 thromboembolism
血栓症 thrombosis
血栓溶解療法 thrombolytic therapy
血友病 hemophilia
血流異常 abnormal blood flow
血漿 plasma
嫌気性 adj. anaerobic
原核細胞 prokaryocyte, prokaryotic cell (単細胞生物として存在することから、原核生物 prokaryoteとして通例あげられる)
原発巣 primary focus, primary lesion
後天的 acquired
交感神経 sympathetic nerve
好塩基球 basophil
好気性 adj. aerobic
好酸球 acidophil
好中球 neutrophil
抗がん剤 anticancer drug
抗原 antigen
抗体 antibody
抗体依存性細胞殺効果、抗体依存性細胞傷害(協和発酵キリンがこちらを使用) antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity/ADCC
梗塞 infarction
梗塞巣 focus of infarction, lesion of infarction
甲状腺疾患 thyroid disease
硬膜下血腫 subdural hematoma
酵母 yeast
黒色腫 melanoma
骨腫 osteoma
骨髄異形成症候群 myelodysplastic syndrome
骨肉腫 osteosarcoma
昏睡 coma
左右軸 horizontal axis, left-right axis, transverse axis
塞栓症 embolism
細菌感染 bacterial infection
細胞 cell
細胞外マトリックス extracellular matrix
細胞骨格 cytoskeleton
細胞周期 cell cycle
細胞内シグナル伝達タンパク intracellular signal transduction protein
細胞分化 cytodifferentiation, cell differentiation
細胞分裂 cell division
散発性 sporadic
子宮筋腫 uterine fibroid, uterine leiomyoma, uterine myoma
子宮頸がん cervical cancer
止血 hemostasis
脂肪塞栓(症) fat embolism
脂肪腫 lipoma
脂肪滴 lipid droplet
時計遺伝子 Clock gene
自己抗体 autoantibody
自己免疫 autoimmunity
自律神経 autonomic nerve
腫瘍 tumor
腫瘍ウィルス oncovirus
受容体 receptor
終止コドン stop codon
循環血液量減少性ショック hypovolemic shock
徐脈 bradycardia
上皮性 adj. epithelial
常染色体 autosome
職業がん occupational cancer
色素 dye
色素性乾皮症 xeroderma pigmentosum
触媒 catalyst
心タンポナーデ cardiac tamponade
心外膜 epicardium
心筋梗塞 myocardial infarction
心原性ショック cardiogenic shock
心室性不整脈 ventricular arrhythmia
心疾患 heart disease
心臓カテーテル cardiac catheterization (検査法・術式として), cardiac catheter (器具として)
浸潤 infiltration, invasion
真核細胞 eukaryocyte, eukaryotic cell
神経芽腫 neuroblastoma
神経原性ショック neurogenic shock
腎細胞がん renal cell carcinoma
性交感染 sexual transmission
性染色体 sex chromosome, allosome
成人T細胞白血病 adult T-cell leukemia
成長シグナル growth signal
成長因子 growth factor
成長抑制シグナル growth inhibitory signal
生体製剤 biologics
生理的 adj. physiological
精巣捻転 testicular torsion
赤血球 erythrocyte, red blood cell
接種 inoculation, vaccination (ワクチン接種という意味ではvaccinationをつかうべきとの見方も)
接着 adhesion
染色体 chromosome
線維化 fibrosis, scarring
線維腫 fibroma
線維素溶解 fibrinolysis
繊毛 cilum; pl. cilia
腺腫 adenoma
前後軸(頭尾軸) longitudinal axis, craniocaudal axis, vertical axis
組織 tissue
相補的塩基配列 complementary base sequence
増殖 proliferation
造血幹細胞 hematopoietic stem cell
造血幹細胞移植 hematopoietic stem cell transplantation
体腔 body cavity
体循環 systemic circulation, greater circulation
胆管がん cholangiocarcinoma, bile duct cancer
知覚障害 cognitive disorder
中皮腫 mesothelioma
腸捻転 volvulus
低酸素 hypoxia
適者生存 survival of the fittest
鉄欠乏性貧血 iron-deficiency anemia
転移 metastasis
転移巣 metastatic focus, metastatic lesion
転座 translocation
転写 transcription
転写因子 transcription factor/TF
動脈硬化 arteriosclerosis
特異度 specificity
突然変異 mutation
内因子 intrinsic factor
内因性 endogenous
内因性経路 endogenous pathway
内腔 lumen; pl. lumina
内視鏡検査 endoscopy
内部被曝 internal exposure
軟骨肉腫 chondrosarcoma
二重らせん double helix
肉腫 sarcoma
乳酸 lactic acid
乳腺 mammary gland
乳房再建術 breast reconstruction
認知症 dementia
粘液 mucus
粘膜 mucosa, mucous membrane
脳幹 brainstem
脳血管疾患、脳血管障害 cerebrovascular disease/CVD
脳梗塞 cerebral infarction
脳出血 cerebral hemorrhage
脳卒中 stroke
播種 dissemination
背腹軸 sagittal axis, anteroposterior axis
肺炎 pneumonia
肺循環、小循環 pulmonary circulation, lesser circulation
肺線維症 pulmonary fibrosis
培養 culture
梅毒 syphilis
白血球 leukocyte, white blood cell
発がん carcinogenesis,oncogenesis
肥大 hypertrophy
非小細胞性肺がん non-small cell lung carcinoma
非上皮性 adj. nonepithelial
微小血管障害性溶血性貧血 microangiopathic hemolytic anemia
病因 etiology (cause); pathogenesis (mechanism、mechanismは「機序」と訳される)
病理的 adj. pathological
頻脈 tachycardia
不可逆的 adj. irreversible
浮腫 edema
風土病 endemic, endemic disease
副交感神経 parasympathetic nerve
複合体 complex
複製 replication
分子生物学 molecular biology
分子標的薬 molecular targeted drug
分泌 secretion
平滑筋 smooth muscle
平滑筋肉腫 leiomyosarcoma
閉塞 obstruction
変異原性 mutagenicity
便潜血検査 occult blood test
鞭毛 flagellum; pl. flagella
母子感染 mother-to-child transmission, vertical transmission
放射性同位元素 radioisotope
放射線感受性 radiosensitivity
剖検 autopsy
翻訳 translation
末梢血液循環 peripheral blood circulation
慢性胃炎 chronic gastritis
慢性肝炎 chronic hepatitis
慢性骨髄性白血病 chronic myelogenous leukemia, chronic myeloid leukemia
免疫グロブリン immunoglobulin
免疫性溶血性貧血 autoimmune hemolytic anemia/AIHA
免疫療法 immunotherapy
毛細血管 capillary
網膜芽細胞腫 retinoblastoma
薬剤耐性 drug resistance
輸血 blood transfusion
優性遺伝 dominant inheritance
有病率 prevalence
遊走 migration
融解壊死 liquefactive necrosis
溶血性貧血 hemolytic anemia
羊水塞栓(症) amniotic fluid embolism
葉酸 folic acid
葉酸欠乏性貧血 folate-deficiency anemia
陽性 positive
良性 adj. benign
淋病 gonorrhea, the clap (俗)
劣性遺伝 recessive inheritance
罹患率 incidence rate
攣縮 spasm
瀉血 bloodletting, exsanguination
瘢痕形成 cicatrization
瘻孔 fistula
脛骨(書中では「頸骨」と誤植) tibia; pl. tibiae; shinbone
臍帯血 cord blood
貪食(作用) phagocytosis
顆粒 granule

「国際共通語としての英語」についてRobin Walkerの講演をみる

英語教育というのはいままで、英語を第2言語(English as a Second Language、ESL)の英語)とかんがえて、世界中のノン・ネイティブにおしえられてきました。しかし「医療通訳はどの英語を勉強すべきか — 『国際共通語としての英語』を読んで」でふれたように、英語をESLではなく国際共通語としての英語(English as a Lingua FrancaELF)としてとらえて、ノン・ネイティブへの英語教育をすすめるうごきが英国でうまれつつあります。

ESLとELFのちがいについておおまかに説明すると、まず、ESLは第2言語というくらいですから、第1言語としての英語(English as a First Language)があること、つまりネイティブがいることを前提にしています。ですから、おのずといかにネイティブに近づくのかということが目標となりがちになります。一方、ELFはネイティブの英語を前提としていません。ネイティブであるか、ノン・ネイティブであるかにかかわらず、会話が成立することを目標としているのです。

ELFについての理解をふかめるために、ELFによる英語教育を実践している英語教師のひとり、Robin Walkerが2014年9月にスペインでブリティッシュ・カウンシルの主催でおこなった講演の動画をご紹介します。Robin Walkerは、スペインの大学で何十年とESLをおしえてきましたが、自身の経験にもとづき、いまではELFをおしえるべきであるとかんがえるようになっています。この講演では、EFLにおける発音のとらえかたについて説明しつつ、ELFの重要性を説明しています。

講演を紹介する前に、とくに医療通訳をめざす方にELFを紹介する理由を講演のなかから取りあげたいとおもいます。Robin Walkerは英語をネイティブ中心にかんがえることのあやうさをしめすために以下の事実を指摘しています。

“English today is 80% of time spoken in the absence of native speakers, non-native speaker speaking to non-native speaker.”

つまり80%の英会話は、ネイティブがいないノン・ネイティブの間でおこなわれているというのです。これは、医療通訳の現場においても、似たような状況です。米軍基地と提携しているNTT東日本・関東病院のような医療機関でもなければ、医療通訳が英語でサポートにはいる患者のおおくが英語圏(anglosphere、inner circleなど)以外の国からきているのです。

講演のなかでくりかえし、Robin Walkerはcomfort zoneという言葉をつかっています。居心地のいい場所、居やすいところといった意味です。このELFというかんがえは、いままでの英語教育からのおおきな転換をもとめるもので、ネイティブ中心でおこなわれてきたやり方からの離脱を意味します。いままでとおなじやり方をつづけるcomfort zoneからでていく必要があるのです。ですから、英国でもまだまだこれからのものといったようです。しかし、医療通訳の現場をかんがえると、無視できないうごきだとかんがえます。

ROBIN WALKER: ‘Pronunciation Matters – re-thinking goals, priorities and models’(講演は08:10くらいからはじまります)

なお、ロビン・ウォーカーのプレゼンテーションのPDFがここからダウンドードできます。この講演ではつかわれたものではありませんが、内容がちかいものですので、興味のある方はご参考までに。

vowels 母音
consonants 子音
clusters 子音連結
word stress 語強勢
sentence stress 文強勢
stress-timing 強勢拍
weak forms 弱形
schwa シュワー/あいまい母音
tones 声調
diphthong 二重母音/複母音
fall 上昇(調)
rise 下降(調)
standard native speaker accent 標準的ネイティブ・スピーカー・アクセント
received pronunciation/RP 容認発音
NS accent/native speaker accent ネイティブ・スピーカー・アクセント
comfortable intelligibility 快適音声明瞭度 “Native English speaker-listeners should not have to work too hard to understand them, even though the speaker clearly has non-native speaker accent.”
international intelligibility 国際音声明瞭度 “We can speak our English anywhere with accent that we have and we will be understood by any listener.”

参考資料など

講演のなかで言及された資料・発言の引用元などを紹介します。

Professor David Crystal
As of 2013, less than 3% of the UK population speak RP.

The foundations of accent and intelligibility in pronunciation research
by Dr. Murray J. Munro and Dr. Tracey M. Derwing
One very robust finding in our work is that accent and intelligibility are not the same thing. A speaker can have a very strong accent, yet be perfectly understood.

English Next (2006) by David Graddol
“Global English is often compared to Latin, a rare historical parallel to English in the way that it flourished as an international language after the decline of the empire which introduced it. The use of Latin was helped by the demise of its native speakers when it became a shared international resource. In organisations where English has become the corporate language, meetings sometimes go more smoothly when no native speakers are present. Globally, the same kind of thing may be happening, on a larger scale. This is not just because non-native speakers are intimidated by the presence of a native speaker. Increasingly, the problem may be that few native speakers belong to the community of practice which is developing amongst lingua franca users. Their presence hinders communication. ”

“In the new, rapidly emerging climate, native speakers may increasingly be identified as part of the problem rather than the source of a solution. They may be seen as bringing with them cultural baggage in which learners wanting to use English primarily as an international language are not interested; or as ‘gold plating’ the teaching process, making it more expensive and difficult to train teachers and equip classrooms. Native speaker accents may seem too remote from the people that learners expect to communicate with; and as teachers, native speakers may not possess some the skills required by bilingual speakers, such as those of translation and interpreting. ”

NON-NATIVE PRONUNCIATION MODELS IN THE TEACHING OF ENGLISH?” by GABRIELA MIHĂILĂ-LICĂ

検査の指示表現を小児整形外科でまなぼう

診察のながれをつかむのに、YouTubeの動画はとても有効な手段です。医療系の動画は豊富にそろっていて、とくに英語については、症状や身体器官をキーワードにすると、その症状を説明する動画や、身体器官の動きを説明した動画がおおく検索できます。そのなかで、平易なことばをおぼえるのにおすすめしたいのが、以前にもつたえたとおり小児科関連の動画です。

フィラデルフィア小児病院の動画をみよう

自分でも、いろいろとYouTubeでしらべていて、これはつかえる、とかんじたのは、フィラデルフィア小児病院(the Children’s Hospital of Philadelphia)が提供している動画です。平易でありながらも、幼児ことばでないことばづかいで診察がおこなわれていくようすがうつされていて、とくに検査をするうえで、どのような指示が患者にたいしておこなわれているのかという点でとても勉強になります。

きょうは、このなかで、背中の検査をしている動画を紹介します。

“Good” “Great” ちょっとしたことばにもいみがある

動画をみていると、それぞれの指示にしたがって患者が動作をおこなったあとに、医師は次のような、ことばを患者になげかけていますね。

Great.
Good.
Perfect.
Fantastic

こういったことばを医師が発する背景には、患者との円滑なコミュニケーションを築こうとしている医師の努力があります。ちょっとしたことばなのですが、実はとてもたいせつなのです。日本の医師も、こういった患者とのコミュニケーションを円滑にする努力はしています。日本語であれ、英語であれ、”Great”と”Good”をどう訳しわけるかというよりは、そういった医師の努力をきちんと訳しのがすことなく、つたえることがたいせつだと心得ましょう。

日本語の「ください」はかならずしも”Please”ではない

動画のなかで、つかわれる指示を表にしました。日本語では、どうしても、「〜してください」という形になることがおおいですね。気をつけてほしいのは、基本的に”Please”をつけないということです。ほとんどの場合は”Can you 〜”というかたちになっています。”Can you 〜”を連発したあとは、命令形になったりしています。命令形だけをつかうことはのぞましくありませんが、”Can you〜”を連発したあとであれば、相手の頭のなかにも、”Can you〜”がのこっていますから、指示が命令形になっても、失礼にあたることはありません。

日本語と英語がすっきりかさなることは、なかなかありませんよね。それでも、こういった”Can you〜”と命令文がまじったりする感覚は、日本語においても理解できることなのではないでしょうか。たとえば、日本語の指示表現で「眼を大きくあけてください。次は眼をとじて」とか「合図をだしたら、息をすってくださいね。それでは息をすって〜、はいて〜」とかいったかんじで、日本語でもすべてていねいに「〜ください」といったりしないことがあるからです。

下の表では、紹介した動画のなかでつかわれている指示表現のほとんどをしるしました。いろいろ応用して、ほかの表現もかんがえてみましょう。たとえば、”towards the door”は”towards the wall”としてもいいでしょう。日本語も、表の表現にこだわらずに、いろいろないいかたをかんがえてみましょう。

指示  
The first thing I would like you to do is just walk to the door. まずは、ドアに向かってあるいてください。
Can you walk on your tiptoes towards me? つま先だちで、こちらにむかってあるいてください。
Can you walk on your heels towards the door? かかとでドアに向かってあるいてください。
Can you jump up and down on both feet together for me a couple times? 両方の足で上下に何回かはねてください。
Can you hop on one foot a couple of times? 片足でケンケンを何回かしてください。
And then the other foot a couple of times? 別の足でケンケンしてください。
Can you squat down like a catcher in a baseball game and touch the ground? 野球のキャッチャーみたいにしゃがんでから、地面をさわってください。
Come on up. こちらにきてください。
Can you bring your chin down to your chest? あごを胸にくっつけるようにさげてください。
Look straight at me. まっすぐこちらをみてください。
Turn your head to one side. And the other side. 後をみるように頭だけをまわしてください。反対側にもまわしてください。
(Bring) Your ear down to your shoulder. And the other shoulder 頭を片方にかたむけてください。反対側にもかたむけてください。
Can you put your feet together for me? 両足をくっつけてください。
Can you bend forward and try and touch your toes? 前にからだをまげて、つま先をさわってください。
Come on back up. もとにもどってください。
I want you to lean back for me. 後にそってください
We’re going to bend you to one side, and the other side. 横にからだを曲げますね。反対側も。
I want you to twist to one side and twist to the other side. からだを後にむかってひねってください。反対側も。
Can you bring your arms up over your head for me? 両手を頭の上にあげてください。
(Bring) Arms out to the side. 両手を横にあげてください。
Can you touch your shoulders? 自分のかたを(手で)さわってください。
Can you reach up your back? 手を背中にまわしてください。(背中に手がとどきますか。背中に手がまわりますか。)
Can you give me the thumbs-up sign? 親指を挙げてください。
Can you make the OK sign? 親指と人差し指で丸をつくってください。
Can you open and close your fingers? 手をにぎったり、ひらいたりしてください。
Can you hold your arms out real strong? 腕に力をいれてうごかないようにしてください。
Push my hands out. わたしの手を外側におしだそうとしてください。
Push my hand in. わたしの手を内側におそうとしてください。
Push my hands up. わたしの手を上におしあげようとしてください。
Push my hands down. 手を下におしさげようとしてください。
Hold your hands up real high 手を上にあげて、力をいれてうごかないようにしてください。
Spread your fingers wide apart. 手を大きくひらいてください。

医療英語の学習に – Khan Academy, Bozeman Scienceほか

医療英語・医療通訳の勉強に役立ちそうな、YouTubeのリストや、動画サイトをいくつかご紹介します。映像というのはとてもパワフルですね。私もこういった動画をみることで、とても勉強になりました。とくに勉強をはじめたばかりのときは、動画にずいぶん助けられました。

それから、これは、どの動画ということではないのですが、新しく学んだ単語で、発音記号をみても発音がどうしてもわからない単語の場合、その単語をYouTubeで検索してみればいいですよ。ほとんどの場合、その単語がつかわれている動画がでてきますので、実際の発音をきくことができます。

Khan Academy – Healthcare and Medicine
つい先日、ひとから教えてもらいました。このKhan Academyというのは、すべてのひとに平等に教育を受ける機会をあたえるという高い志のもと動画をつうじて、さまざまな講義をながしています。カバーしているのは、あらゆるジャンルといってもいいでしょう。ここにあげたHealthcare and Medicine(健康管理と医療)というリストには29の動画が今日現在(2016年5月28日現在)公開されています。医療従事者むけというよりは、この分野にすすみたいという関心をもっているひとむけといった印象です。その分、いわゆるlay termをまなぶにはよさそうです。英語の字幕はきちんとつくられているようで、自動生成ではなさそうです。とても、便利ですね。

Bozeman Science – Anatomy and Physiology
アメリカはモンタナ州のボーズマン(Bozeman, Montana)というとっても田舎の高校の科学の先生がYouTubeで公開している動画集です。科学のいろいろな分野の動画をあげていますが、このAnatomy and Physiology(解剖学と生理学)には今日現在(2016年5月28日現在)、16本の動画が公開されています。高校生向けの解説なので平易なことばで解説されています。わたしもよく利用しています。以前は自動生成の英語字幕がついていたとおもうのですが、どうやらきちんとした字幕になっているものもあるようです。全部かどうかは確認していません。

Medical Edge by Mayo Clinic
前のふたつとはちがい、とても専門的な動画が公開されています。なにせかのメイヨー・クリニックが公開していますので、Medical Edgeということばが暗示するように、かなり先端的な内容の動画がおおいです。字幕はありますが、自動生成のものなので、まちがいがおおいので、注意した方がいいですね。

ER – Season 2 and Season 3
かの有名な医療ドラマ「ER」です。医学部の先生ふたりほどから聞きましたが、内容も正確な優秀なドラマだそうです。医学部によっては授業でつかわれたりしています。残念ながら、ビデオショップで借りるか、購入するかありません。とくに第2シーズンと第3シーズンがよいとききました。

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