国内の医療通訳資格についての比較・2016年12月版

医療通訳の民間資格試験(医療通訳技能検定・医療通訳技能認定)についての問い合わせが最近つづいていますので、現状でわかる範囲内でまとめてみました。なお、資格試験については「医療通訳の資格試験はじぶんが受けやすいものを受けよう」という記事を以前かきました。そのときから、見方はかわっていません。公的資格の導入というのはむつかしいだろうとかんがえています。

医療通訳技能検定 医療通訳技能認定
実施団体 一般社団法人日本医療通訳協会 一般財団法人日本医療教育財団
試験タイミング 年2回開催 年1回開催
試験会場 東京、大阪、福岡、札幌 東京、大阪
受験するためのハードル 受験資格をとくにもうけてはいない 試験だけを単独でうけることはむつかしい(受験資格として、通訳の実務経験または指定の教育コース履修をもとめている)
認定の種類 同一試験を受験(1次筆記、2次実技)し点数で1級と2級を認定 専門と基礎を別試験でそれぞれ認定
難易度 やや高い
(難易度がたかまる傾向にある
難易度についてはまだ確定していないが、第1回の1次試験は比較的容易であったとの情報あり
試験開始年 2014年4月
(2009年より旧東京通訳アカデミーで開催されていた同名の試験のながれをうけている。日本医療通訳協会ウェブサイトより)
2016年12月
資格者の地位向上へのこころみなど 国際臨床医学会の認証制度への協力を表明している
(ことし12月に発足した国際臨床医学会は医療通訳の資格試験の認証制度を整備していく方向)
厚生省が発表した「医療通訳カリキュラム」を策定したのが日本医療教育財団財団だったことから、公的資格になるのではないかと期待されている
(厚労省にとくにその意向があるとは確認されていない)

重要
– 一般社団法人日本医療通訳協会の医療通訳技能検定については、筆者自身が試験委員・運営委員をつとめたことがあるという事実があります。
– 一般財団法人日本医療教育財団の医療通訳技能認定については、同財団の公開情報および受験生からの伝聞情報をもとづいています。直接取材してはいません。また、現時点では、第1回の1次試験をおえたところであり、2次試験については1月にはじめておこなわれるます。
– この記事をかいた時点で入手可能な情報をもとにかいていますので、こんご情報は変化する可能性があります。
– 訂正などありましたら、お問い合わせページからご連絡ください。