超々直前、医療通訳技能検定2次試験対策

いよいよ、明日となった2017年春期医療通訳技能検定2次試験(ロールプレイ)ですが、当日気をつけてほしい、ちょっとした対策をお教えします。

試験官も人の子、印象に左右される

通訳技術・医療知識は、ロールプレイ試験において判定上の大切なポイントであることはまちがいがありません。実は、もうひとつ大切な点があります。「試験に合格したとして、この受験生はきちんと医療通訳の仕事をすることができるだろうか」という点を試験官はみているのです。別の言い方をすると「検定試験後に医療の現場にでたときに、この受験生は、誠実に患者のサポートをしてくれるだろうか、チーム医療の一員として活躍してくれるだろうか」という受験生の姿勢を試験官は見きわめようとしているのです。

こういった姿勢はそう簡単に身につくものでも、またごまかせるものでもありません。ただ試験官も人の子です。どんなに公平に判定しようとしても、印象に左右されます。ですから、試験官にじぶん自身が医療通訳としての適性をもっていることをアピールするように努力しましょう。

  • 服装はビジネスカジュアル: 近所のコンビニにいくような格好はしないこと、かといって無理に堅い格好をすることはありません(ネクタイはしないほうがいいでしょう)。
  • アクセサリー・化粧は控えめに
  • 香水・オーデコロンはつけない: 強いかおりの柔軟剤をつかった服も避けたほうがいいでしょう。
  • ハイヒールは避けましょう: 男性も音がひびかない靴がのぞましいでしょう。

積極的な姿勢は好印象、ただし過剰にならないように

医療通訳の仕事に情熱をもって取り組むであろうという期待を試験官にいだかせるような積極的な姿勢は好印象をあたえるでしょう。その姿勢自体が採点ポイントになっているとはかんがえませんが、高評価につながる可能性があります。ただし、過剰な積極性や明るさは、かえって試験官に違和感をいだかせることになりますので注意しましょう。

落ちついた表情・声もプラス効果が期待できます。通訳の速度がゆっくりすぎるのも考えものですが、早すぎてあわてているような印象をあたえるよりはいいでしょう。聞きとれなかったときなど、あわてて聞きかえすのではなく、一呼吸おいて聞きかえすくらいがいいでしょう。

シーンの切りかえに注意する

今回のロールプレイ試験のテーマは、「乳がん」と「胃がん」と一般社団法人日本医療通訳協会は発表しています。これは予想ですが、ロールプレイは3シーン(場面)で構成されるのではないかと考えます。つまり「診察室」→「検査室」→「診察室」とロールプレイが展開していくというのが予想です。

まずは、診察室で簡単な診察をし、つづいてレントゲン検査をする。そして最後にまた、診察室にもどってきて、診断・治療法の説明があるという展開で、ロールプレイがすすむ可能性があるということです。こういったかたちでロールプレイがすすむとすると、気をつけなくてはいけないのは、シーンの切りかえがあるということです。

ときどき、シーンの切りかえがあったにもかかわらず、そのことに受験生が気がつかず、混乱してしまうということがあります。注意しましょう。以下のようなセリフがシーンの切りかえ(シーンのおわり)のときにはよくつかわれます。

  • 「それでは検査をしてみましょう」(最初の診察室にシーンのおわりに)
  • 「これで終わりです」(検査のおわり)

数値はまちがえない、症状・病名・薬は訳もれしない

何度もいわれていることですが、体温や血圧などの数値のまちがえは絶対しないようにしましょう。症状や病名、薬が列挙されたりすることがありますが、もらしたりしないようにしましょう。列挙されたときは、ノートにチェックをつけたり、指をおったりして、しっかりといくつあったかおさえて、もらさないようにしましょう。おもいだせなかった場合は聞きかえしましょう。

胃がんで確認しておく単語・表現

英語・中国語両方の受験生がいるので、日本語だけをあげておきます。

  • ポリープ、ピロリ菌、胃潰瘍
  • 家族歴
  • 内視鏡、腹部X線、生検
  • 胃切除術、放射線療法、薬物療法、化学療法
  • 食欲不振、吐き気・嘔吐、貧血、黒色便、体重減少、心窩部痛

乳がんで確認しておく単語・表現

  • しこり
  • 乳腺症、乳腺炎
  • 家族歴、未婚・既婚、出産歴
  • 生理、閉経、リンパ節、リンパ節腫大
  • 経口避妊薬
  • マンモグラフィー、乳腺エコー、細胞診、生検
  • 胸部CT、胸部X線、胸部MRI
  • 乳房温存術、乳房切除術
  • 放射線療法、薬物療法、ホルモン療法、化学療法