内分泌系についての基本の基本 — 医療通訳資格試験にむけて

内分泌系(the endocrine system)は、神経系(the nervous system)とともに、ホメオスタシス(homeostasis)をささえる重要なシステムです。神経系の電気信号によるすばやい作用とちがって、ホルモンによって比較的ながい時間をかけてカラダに影響をもたらします。内分泌系では、腺(gland)という細胞または細胞組織からホルモンが分泌されます。ホルモンについては、まだまだわからないところがすくなくおおいので、試験ではやや取りあつかいづらいトピックです。しかし、代表的な腺(内分泌器官)についての知識を取りあげた問題は医療通訳の試験によくでてきますので、ぜひおぼえておきましょう。

また、内分泌と外分泌のちがいについてはざっくり(学術的にはよりこまかい分類があるけれども)と、内分泌がカラダのなかの血液やリンパ液といったカラダの内側にある体液中に分泌することをさし、外分泌がカラダの外側へと分泌することをあらわすとおぼえておきましょう。ただし、気をつけなければいけないのは、消化管の内側はカラダの外側とかんがえるということです。ここは直感的にはやや混乱してしまうところでしょう。単純化すると、人間のカラダはリング・ドーナツ状になっているのだと理解しましょう。内側の空洞部分が消化管です。そして、カラダとはドーナツの生地の部分のことをいうのだとおぼえておきましょう。そして、カラダの内側とは生地のなかのことをいうのです。注意しましょう。

内分泌腺・内分泌器官 endocrine gland/endocrine organ
松果体 しょうかたい pineal gland/pineal body/conarium/epiphysis cerebri
下垂体 かすいたい pituitary gland/pituitary body/hypophysis
甲状腺 こうじょうせん thyroid gland/thyroid
副甲状腺・上皮小体 ふくこうじょうせん・じょうひしょうたい parathyroid gland/parathyroid
副腎 ふくじん adrenal glands/suprarenal glands
膵臓 すいぞう pancreas
卵巣 らんそう ovary
精巣 せいそう testicle/testis
胸腺 きょうせん thymus
視床下部 ししょうかぶ hypothalamus

※胸腺については不明な点があることから、内分泌器官として分類すべきかかんがえがわかれています。内分泌系において重要な役割をになっている視床下部についても内分泌腺と呼ぶかについてはみかたがわかれています。このほかにも、内分泌機能がある器官はおおいのですが、分類にはばらつきがあります。

【参考資料】