訪日外国人の数は、2017年に前年比で19.3%増の2869.1万人になりました。今年の1〜4月の4ヶ月で1051.9万人とすでに前年比で15.4%増となっています。日本政府がのぞんでいるとおりに、旅行目的の訪日外国人の数は増えつづけているといるようです(日本政府観光局調べ)。
では、この訪日外国人のうち、どのくらいの方が医療目的で訪日した方なのでしょうか。残念ながら、その数についての調査はややおくれているようです。今現在で入手可能な資料で、信頼性のあるものというと、平成28年3月に野村総合研究所が経済産業省から引きうけてまとめた「国内医療機関による外国人患者受入の促進に関する調査」の数字とみられます。
この調査では、2014年現在の集計として、医療目的の訪日外国人の数を6,924人と報告しています。2013年には、5053人だったとも報告しているので、1年間で37%も増えたことになります。ちなみに、2014年の訪日外国人の全体数は前年比でほぼ30%増えています。
この調査報告をよむと、調査対象の医療機関があやまって、日本在住外国人や観光・ビジネス目的の旅行者もふくめて回答をしたこともあるようですので、集計数はやや正確性を欠くものだということがわかります。それでも、今月6日にひらかれた訪日外国人医療支援機構のセミナーで、厚生労働省の担当者がこの調査を参照して、医療目的の訪日外国人の数を報告していましたので、ほぼこの数が実数にちかいものと政府はみているようです。
となると、医療目的のいわゆる医療ツーリズムの訪日外国人の数は今現在どのくらいなのかでしょうか。そのセミナーでの厚労省の方の資料では、数千〜万人くらいと、はばをもたせていましたが、1万人前後とみるのが、順当なguestimationなのでしょうか。
正確な数をしりたい方には酷なお話かもしれませんが、じつは正確な数を把握するための体制がまだできていないというのが国内の現状だといえるでしょう。なぜなら、医療ツーリズムに積極的な医療機関は少数派で、おおくの医療機関が来院外国人患者の背景について、わざわざしらべたしているわけではないのです。