さて、前回はリサーチ力の重要性についてふれましたが、そのリサーチ力を発揮して調査し、疾患や症状などの定義を日本語でしっかりおさえることが大切だということも強調されました。日本語でおさえると説明されたのは、受講生がすべて日本人だったらだとおもいます。
定義をおぼえる
病気をしらべると、病因 etiology、症状/徴候 signs and symtoms、診断方法 diagnostic procedures、治療 treatmentの順番で定義づけられていると説明がありました。そして、これにそって、しっかりとしらべ、おぼえる必要があるとのことでした。そのしらべるというプロセスで、リサーチ力を発揮する必要があるということでした。
単語帳はつくっておしまいではない
単語帳 glossaryについては、つくって満足してしまうひとがおおいが、つくった単語帳は何度もつかっておぼえなくてはいけないと注意されました。人間は忘れる動物であって、忘れるのは当然なので、何度も繰り返し、おぼえる必要があるとの話でした。
単語帳をくり返し活用するために講師の方がおすすめしていたのが、Quizletというサービスです。ウェブでもありますし、スマートフォン向けのアプリもでています。エクセルでつくった単語帳は簡単に取り込むことができますし、アプリをつかうと、クイズ形式で単語帳内の単語をクイズとして出題してくれるそうです。私もさわったことくらいはあるのですが、本格的につかったことはありません。これからはつかっていこうとおもいます。
オープンクエスションとクローズドクエスションを取り違えない
医師が患者を問診するうえで、オープンクエスションとクローズドクエスションを通訳しまちがえてはいけないと強調されました。念のため、先にすすむ前に、オープンクエスションとクローズドクエスションについて説明しておきますね。
オープンクエスションは答えが限定されていない質問です。例えば、「今日はどうして病院に来たのですか」と質問すれば、それは、頭痛かもしれないですし、胃痛かもしれません。または、吐き気がひどくてきたのかもしれません。つまり答えがいろいろでてくる可能性がある質問です。一方、クローズドクエスションとは、「その痛みは激しいですか」といった形の質問で、基本的には、はい/いいえ Yes/Noのように選択肢があらかじめ決められていて、そのどちらかなのか、といった質問です。もちろん選択肢は2つだけではなく、複数ある場合もあります。ペイン・スケールなどがそうです。
医師は、いろいろな情報を患者から引き出そうとしますので、初期の段階ではしばしばオープンクエスションで患者を問診します。そこをクローズドクエスションに訳してしまうと、医師の意図する方向とちがいものに診察がなってしまうので、気をつけなくてはならないとのことでした。
通訳上の注意点としては、患者が症状を訴えたときに医師が「それは大変ですね」といったら、これもしっかりと訳さなければいけないと話していました。医師が患者との信頼関係を築くために言っていることなので、きちんと訳す必要があるとのことでした。