病名とか症状って、可算名詞、それとも不可算名詞? (3)

前回みたBBCのサイトでは、一般的な病名については通常、不可算名詞となると説明しています。ただし、例外があるといって、a cold, a sore throat, a headacheを挙げています。さらに、具体例で、病名が可算名詞か、不可算名詞かを解説しています。

  1. 不可算: Measles, and chicken pox are common ailments in childhood.
  2. 不可算: Old people especially are susceptible to flu in winter.
  3. 不可算: Generally, earache and toothache are more painful than stomach-ache or backache.
  4. 可算: The common cold is characterised by a sore throat, a runny nose, headaches and a bad cough.

measles: はしか、麻疹
chicken pox/chickenpox: 水痘,水ぼうそう, varicellaともいう
The common cold: 感冒、風邪
in childhood: 小児期に、子どもの時に、子どもにとっては
susceptible to…: …(病気など)にかかりやすい、…による影響を受けやすい
characterized by…/characterised by…: …といった特徴がある、(主語)にみられるのは…といったものである。

ここの例が困るのは、Wikipedia英語版も書いているとおり、”the flu”は通常、”the flu”となります。ただし、”the common cold”が”a cold”でもいいのに対し、”the flu”は”a flu”になりません。また、”Measles”の後に入っているコンマは不要で、学校の先生だったら×をつけそうです。

さらに、可算名詞の例を挙げていると次のものがあります。
a cold, the common cold: 風邪、感冒
a runny nose: 鼻水、鼻汁、水ばな(鼻水そのものでない点に留意する)
a cough: 咳
a sore throat: のどの痛み、咽頭痛
a headache: 頭痛
a rash: 発疹、皮膚のぶつぶつ
a fever: 熱. 熱がある。I have a fever; I am running a fever.
the flu: 流行性感冒、インフルエンザ
ache: 各種の痛み an earache, a stomach ache, a toothache, a backache
参考にしたのは、Virginia Allumという英国の著者が書いた”From Occupational English Test Sample Role Plays – For Nurses”と言う本です。

他にも、a nose bleed/nosebleed(鼻血. I have a nosebleed.)なんてのもありますし、a tumor(腫瘍)などもあります。

さらに可算か、不可算かというのは、英国英語と米国英語でやや違いがあります。広く知られているとおり、英国英語と米国英語の違いというのは、アクセントだけではなく、さまざまなところに現れます。ケンブリッジ大学出版局のウェブサイトではさまざまな例を挙げて、相違点について触れています。

こういった相違点は、病名・症状の分野では幸いなことに多くはないようです。BBCのウェブページでは、ache(痛み)について、いくつかの例を挙げて説明しています。それをみると、米国英語では、ほぼすべてに”a”を付けるのに対して、英国英語では頭痛を除くと、”a”を付けない傾向にあるようです。

さて、最初に戻って、次の中からより適切なものを選ぶとしたらどちらでしょうか。

“I have hay fever.”
“I have a hay fever.”

お分かりですよね。”I have hay fever.”です。

東京オリンピックが近づくなか、医療通訳による訪日外国人サポートへの関心が高まっています。ブログ『医療英語の森へ』を発信する医薬通訳翻訳ゼミナールは、独学では物足りない、不安だといった方のために、医療通訳・医療英語のオンライン講座もおこなっています。ご希望の方は当ゼミナール・ウェブサイトのお問い合わせページから、またはメールでご連絡ください。