語の構成要素を理解することはやっぱり大事

医療英単語を学び、ボキャブラリを増やしていくのには、接頭辞(prefix)や語根(root)、連結形(combining form)、接頭辞(suffix)といった語の構成要素を抑えていくとが重要です。医療英単語については、ギリシャ語とラテン語由来の語の構成要素の素直な組み合わせである場合が少なくないからです。例えば、hepatitis(肝炎)という単語を取り上げてみましょう。hepatitisは、hepat-と-itisという2つの構成要素に分解できます。hapatは、ギリシャ語由来の「肝臓」を意味する連結形です。itisは「炎症」を意味するギリシャ語由来の接尾辞です。itisはこのほか「…による病気」や「…狂」「…中毒」といった意味があります。

このように、医療英単語は語の構成要素の素直な組み合わせであることが多いので、語の構成要素を覚えることは単語力を鍛える近道になります。もう一つ、例をみてみましょう。otorhinolaryngology(耳鼻咽喉科または耳鼻咽喉科)です。この単語は、oto-、rhino-、laryngo-、-logyに分解できます。oto-は「耳」を表すギリシャ語由来の連結形、rhino-は「鼻」「鼻腔」を意味し、laryngo-は「咽頭(larynx)」の意味します。どちらもギリシャ語由来の連結形です。そして-logyは「学問」を意味するほか、「言葉」「語」「論」を意味を持つギリシャ語由来の接尾辞です。ちなみに、この-logyは病院の各診療科の「科」にあたる部分に使われます。こう分解してみると、otorhinolaryngologyという長ったらしい言葉も頭にすっと入ってくるのではないでしょうか。

ギリシャ語由来、ラテン語由来とわざわざ言っているのは、同じ意味を持つ構成要素でギリシャ語由来のものとラテン語由来のものがあるからです。代表的なものが数字を表す接頭辞です。最高までに数字の1〜10を表す接頭辞の代表的なものを下に記します(正確には用法によって同じ数字にラテン語由来のものの中にも、ギリシャ語由来のものの中にも複数の形があります)。

ラテン語由来
uni-、bi-、tri-、quadr-、quint-、sex-、sep-、oct-、nov、den-
ギリシャ語由来
mono-、di-、tri-、tetra-、penta-、hexa-、hepta-、octa-、ennea-、deca-

ギリシャ語由来の構成要素はギリシャ語由来のものだけで、ラテン語由来についてもラテン語由来の構成要素だけで、言葉を作る傾向があるようです。とはいっても、人間が作る単語ですから、そこら辺は例外もありますし、片方になければ、もう一方から取ってきたりします。ですので、必ずしも一つの単語がすべてギリシャ語由来の語要素だけから作られているとか、ラテン語由来の語要素だけから作られているとは決まってはいません。

次回からは、医療英単語を覚えるのに便利な構成要素を毎日少しずつa〜zまで順番に紹介しようと思います。ご自分構成要素を調べるには、研究社の「リーダーズ英和辞典」が便利です。ここでも、リーダーズ英和辞典は大いに参考にしています。また、Wikipediaにもとても参考になるページがあります。