一般に英語の文は、主語そして動詞という順番でつくられています。ところがときどき動詞が主語のまえに出てくることがあります。強調のために、こういったことがおこります。詩などによくでてきますが、文語といいますか、ちょっと堅い印象をあたえる文になります。
例文
Down came the rain.
動詞: came
主語: rain
こういった文に出会うととまどうものです。いくつか問題文をあげますので、ためしにいくつか解いて、なれておきましょう。こういった文を理解するコツは、まず文中の動詞をさがすことです。動詞をみつけたら、つぎに、その動詞について「誰あるいは何が」主語になっているのかをさがしましょう。
問題文
a. Up jumped the rabbit.
b. To this old inn came a visitor.
c. Away sped the blue car.
d. Here stands the monument to Frederick Douglass.
e. Beside the bed stood a lamp.
f. Down the stairs came the dog.
g. In the corner lay a lamp.
解答
動詞 | 主語 | |
---|---|---|
a | jumped | rabbit |
b | came | visitor |
c | sped | car |
d | stands | monument |
e | stood | lamp |
f | came | dog |
g | lay | lamp |
余裕のある方へ
ところで、倒置によって、なにが強調されているのかは、気になるところです。おおくのひとは、動詞がまえにでてくるから、動詞が強調されるのだろうとかんがえるでしょう。僕自身、長い間そうかんがえていました。英語一般の主語・動詞という順番は「だれが」という主語が重要な英語の特徴だとおしえられてきたために、英語で重要なものはまえにくるとおもいこんでいたからです。
ところが、英語の文法・スタイルのバイブルともいうべき、The Elements of Styleによると、英語で文の一部を強調したいときに、どこにそのことばをおくのかというと文尾だそうです。
もちろん、動詞が定位置からはずれて、まえに来るわけですから、倒置文ではある程度、動詞が強調されるということはあるでしょう。The Elements of Styleにも、文尾の次にことばが強調されるのは、文頭だとしめされています。
上にあげた8つの倒置文では、主語に代名詞をあてることは適切ではありません。「代名詞では強調するに値しない」ためだとされています。こういった点をみても、動詞が主語のまえにでる倒置文でもっとも強調されているのは、主語であるといえそうです。