循環器系についての基本の基本 — 医療通訳資格試験にむけて

循環器系は心臓血管系(the cardiovascular system/the vascular system)とリンパ系(the lymphatic system)でなりたっていますが、試験対策としてはまず心臓血管系を優先してまなびましょう。ただし、感染症などの鑑別診断をかんがえると、リンパ系は実践の場でとてもたいせつであることを意識しておく必要があります。医療通訳としての実践と試験対策とは別物であることをおぼえておきましょう。

まずは、とにかく心臓の構造をまなびましょう。専門書でなくてもかまいません。一般向けの書籍や厚労省の資料(心臓各部位)をつかって、心臓の構造を把握しておきましょう。下の単語表にあるような、おもな心臓の部位については、それぞれの名称を日本語と英語でおぼえるとともに、位置をしっかりおぼえておきましょう。

位置をおぼえるときにまちがえてしまいがちなのは右左(みぎひだり)です。解剖図のおおくは、正面からむかってみたかたちでかかれています。医療従事者の方には当然でも、通訳出身の方などは、ついまちがってしまったりしまうので、注意しましょう。

からだの構造をおぼえるときに、ひとつひとつ位置をおぼえるのは効率的ではありません。からだのどの構造についてもいえますが、バラバラにおぼえるのではなく、機能の流れでおぼえるようにしましょう。心臓の各部位をおぼえるには、血液の流れ(血液循環 blood circulation)でおさえるのがいいでしょう。

血液循環には、酸素をからだのすみずみにおくる体循環(systemic circulation/general circulation、または大循環 greater circulation)と、肺での二酸化炭素と酸素の交換にかかわっている肺循環(pulmonary circulation、または小循環 lesser circulation)があります。各部位の位置・名称とともに、血液の流れもしっかりおさえましょう。

代表的な心臓の部位 Main components of the heart
上大静脈 じょうだいじょうみゃく superior vena cava/SVC
下大静脈 下大静脈 inferior vena cava/IVC
右心房 うしんぼう right atrium
三尖弁 さんせんべん the tricuspid valve/the right atrioventricular valve
右心室 うしんしつ right ventricle
肺動脈弁 はいどうみゃくべん the pulmonary valve/the pulmonic valve
肺動脈 はいどうみゃく the pulmonary artery
左心房 さしんぼう left atrium
僧帽弁 そうぼうべん the mitral valve/the left atrioventricular valve
左心室 さしんしつ left ventricle
大動脈弁 だいどうみゃくべん the aortic valve
大動脈 だいどうみゃく the aorta
大動脈弓 だいどうみゃくきゅう the aortic arc/the arc of the aorta

【参考資料】