JCI認定病院の増加、2017年は3機関だけ

医療界のISOともいわれるJCI(Joint Commission International)による国内認定機関については、「JCI認定病院が2015年だけで7施設ふえて全部で18施設へ」(2016年3月現在)と、「国内のJCI認定病院の増加が減速か」(2016年11月現在)、「JCI認定病院、2016年は3機関の増加にとどまる(4機関に1月31日修正)」(2017年1月現在)といまままでご紹介してきました。

JCIのウェブサイトによると、日本国内の認定病院(認定機関の1つは介護施設)は2017年末現在で23病院となっています。前年比では、3医療機関の増加(石巻赤十字病院・中部徳洲会病院・彩の国東大宮メディカルセンター)でした。2015年の7機関増をピークに、2016年の4機関増と、増加ペースが鈍化していっています。

グローバルな認知度をたかめるために有効とされているJCI認定(JCI Accreditation)についての関心は、医療機関の間で依然として高いといわれています。それなのに、認定医療機関の数がなかなかふえていかないというのは、認定取得のコストの大きさがハードルになっているのかもしれません。

もっとも、2018年はすでに名古屋第二赤十字病院が認定機関となっています。増加ペースはともかくとして、これからもJCI認定病院の数が増えつづけることは期待できそうです。

病院名 英名 認定日 都道府県
亀田総合病院 Kameda Medical Center 2009年8月8日 千葉県
NTT東日本関東病院 NTT Medical Center Tokyo 2011年3月12日 東京都
介護老人保健施設老健リハビリよこはま Geriatric Health Services Facilities Yokohama 2012年3月29日 神奈川県
聖路加国際病院 St. Luke’s International Hospital 2012年7月14日 東京都
湘南鎌倉総合病院 Shonan Kamakura General Hospital 2012年10月27日 神奈川県
総合病院聖隷浜松病院 Seirei Hamamatsu General Hospital 2012年11月17日 静岡県
相澤病院 Aizawa Hospital 2013年2月16日 長野県
メディポリス国際陽子線治療センター Medipolis Proton Therapy and Research Center 2013年9月13日 鹿児島県
済生会熊本病院 Saiseikai Kumamoto Hospital 2013年11月23日 熊本県
葉山ハートセンター Hayama Heart Center 2014年3月6日 神奈川県
東京ミッドタウンクリニック Tokyo Midtown Clinic 2015年1月31日 東京都
足利赤十字病院 Japanese Red Cross Ashikaga Hospital 2015年2月7日 栃木県
埼玉医科大学国際医療センター Saitama Medical University International Medical Center 2015年2月7日 埼玉県
順天堂大学医学部附属順天堂医院 Juntendo University Hospital 2015年12月12日 東京都
国際医療福祉大学三田病院 IUHW Mita Hospital 2015年12月19日 東京都
南部徳洲会病院 Nanbu Tokushukai Hospital 2015年12月19日 沖縄県
札幌東徳洲会病院 Sapporo Higashi Tokushukai Hospital 2015年12月19日 北海道
倉敷中央病院 Kurashiki Central Hospital 2016年3月12日 岡山県
湘南藤沢徳洲会病院 Shonan Fujisawa Tokushukai Hospital 2016年8月27日 神奈川県
三井記念病院 Mitsui Memorial Hospital 2016年11月20日 東京都
マックシール巽病院 McSYL Tatsumi Clinic & Hospital 2016年12月16日 大阪府
石巻赤十字病院 Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital 2017年1月28日 宮城県
中部徳洲会病院 Chubu Tokushukai Hospital 2017年2月25日 沖縄県
彩の国東大宮メディカルセンター Sainokuni Higashiomiya Medical Center 2017年7月29日 埼玉県
名古屋第二赤十字病院 Japanese Red Cross Nagoya Daini Hospital 2018年3月3日 愛知県

医療通訳技能検定2次試験まであとわずか、あと1週間でできること

来週末(5月27日)に2018年春期医療通訳技能検定2次試験(ロールプレイ)がおこなわれています。今日は、当日気をつけてほしい、ちょっとした対策を受験生の方向けにおおしえします。

なお、今回の課題は「糖尿病」と「副鼻腔炎」です。参考のための単語集もつくりましたので、積極的に活用しましょう。ただし、単語はここにかかれたものがすべてではありません。こだわらないようにしましょう。

試験官も人の子、印象に左右される

通訳技術・医療知識は、ロールプレイ試験において判定をするためのたいせつなポイントであることはまちがいがありません。実は、もうひとつたいせつな点があります。それは、将来性です。「試験に合格したとして、この受験生はきちんと医療通訳の仕事をすることができるだろうか」という点を試験官はみているのです。

別の言い方をすると「検定試験後に医療の現場にでたときに、この受験生は、誠実に患者のサポートをしてくれるだろうか、チーム医療の一員として活躍してくれるだろうか」という受験生の姿勢を試験官は見きわめようとしているのです。

こういった姿勢はそう簡単に身につくものでも、またごまかせるものでもありません。ただ試験官も人の子です。どんなに公平に判定しようとしても、印象に左右されます。ですから、試験官にじぶん自身が医療通訳としての適性をもっていることをアピールするように努力しましょう。そのために、以下の点に注意して、身だしなみをととのえ、当日は試験会場にむかいましょう。

  • 服装はビジネスカジュアル: 近所のコンビニにいくような格好はしないこと、かといって無理に堅い格好をすることはありません(ネクタイはしないほうがいいでしょう)。
  • デニムはおすすめできません。
  • アクセサリー・化粧は控えめに
  • 香水・オーデコロンはつけない: 強いかおりの柔軟剤をつかった服も避けたほうがいいでしょう。
  • ハイヒールは避けましょう: 試験官によってはとても気にします。男性も音がひびかない靴がのぞましいでしょう。

積極的な姿勢は好印象、ただし過剰にならないように

医療通訳の仕事に情熱をもって取り組むであろうという期待を試験官にいだかせるような積極的な姿勢は好印象をあたえるでしょう。その姿勢自体が採点ポイントになっているとはかんがえませんが、好印象が試験官の意識に影響をあたえて、高評価につながる可能性があります。ただし、過剰な積極性や明るさは、かえって試験官に違和感をいだかせることになりますので注意しましょう。

落ちついた表情・声もプラス効果が期待できます。通訳の速度がゆっくりすぎるのも考えものですが、早すぎてあわてているような印象をあたえるよりはいいでしょう。聞きとれなかったときなど、あわてて聞きかえすのではなく、一呼吸おいて聞きかえすくらいがいいでしょう。

モゴモゴはダメ! おもいきりも必要

試験官をした経験から気がついたことは、どうしても自分の訳に自信がもてずに口のなかでモゴモゴくり返してなかなか口にだせない受験生がすくなからずいるということです。じつはおおくの場合、そのモゴモゴは試験官にきこえています。そして、正解をいっていることがおおいのです‼︎

おおくの受験生はたくさんの勉強をしてから試験にのぞんでいます。自信をもつべきです。モゴモゴはやめましょう。モゴモゴは以下の2つのデメリットがあります。

  • 試験には制限時間があります。モゴモゴをしてしまうかたのおおくは、制限時間がギリギリになり、あせったり、または時間切れになってしまいます。
  • モゴモゴは、よい印象を試験官にあたえません。正確にやろう、きちんとやろうという気持ちはわかりますが、自信のなさがつたわってきて、通訳の姿勢としてはマイナスです。

モゴモゴ対策は場数をふむことです。とにかく、勉強仲間や、家族、友人に協力して、練習をクイック・レスポンスの練習をしましょう。

数値はまちがえない、症状・病名・薬は訳もれしない

何度もいわれていることですが、体温や血圧などの数値のまちがえは絶対しないようにしましょう。症状や病名、薬が列挙されたりすることがありますが、もらしたりしないようにしましょう。列挙されたときは、ノートにチェックをつけたり、指をおったりして、しっかりといくつあったかおさえて、もらさないようにしましょう。おもいだせなかった場合は聞きかえしましょう。

糖尿病

糖尿病 diabetes, diabetes mellitus, DM
II型糖尿病 type 2 diabetes
健康診断 medical check-up
血糖値 blood sugar level, blood glucose level
境界型の糖尿病 borderline diabetes
糖尿病になりやすい体質 have a predisposition to diabetes, be prone to develop diabetes
糖尿病専門の専門医にかかる go to a diabetes specialist
精密検査 detailed examination
ヘモグロビンA1c HbA1c
つかれやすくなる get easily tired
多食 eating a lot of food, polyphagia
食事の量 the amount of food you eat
多飲 drinking a lot, polydipsia
のどがかわく become thirsty
水分をたくさんとる drink a lot of fluid
多尿 urinating a lot, frequent urination, polyuria
トイレにいく go to toilet
体重 weight
家族で糖尿病の方はいるか Is there anyone in your (immediate) family with diabetes?
ブドウ糖負荷試験 glucose tolerance test
採血をする draw blood for a test, do a blood test
眼底検査 fundoscopy, eye fundus exam
散瞳薬 eyedrop to dilate the pupil, mydriatic
血糖値を下げる薬、降圧剤 antihypertensive drug
高脂血症薬 antihyperlipidemic drug

副鼻腔炎

副鼻腔炎 sinusitis
(じぶんの)鼻水が止まらない I cannot get my nose to stop running.
黄色い膿 yellow pus
鼻汁 nasal discharge
鼻づまり stuffy nose (have a stuffy noseといったかたちでつかわる)
(じぶんの)目と鼻の奥が痛い I have pain behind my eyes and nose
ひどい頭痛 severe headache
鼻ポリープ nasal polyp, rhinopolypus
内視鏡下手術 endoscopic surgery
全身麻酔 general anesthesia
部分麻酔 local anesthesia
日帰り手術 day surgery, ambulatory surgery
麻酔説明書 pre-anesthesia instructions
耳鼻咽喉科 E.N.T., eye, nose, and throat, otorhinolaryngology
呼吸器内科医 pulmonologist
鼻の粘膜 nasal mucous membrane
出血 bleeding, hemorrhage
仕事に支障がある cause some problems at work, negatively impact work

「こわいもの知らずの病理学講義」で病気をしろう

病気・疾患について理解することは、医療通訳にとってたいせつなことですが、そもそも病気ってなんなんでしょう。ひとに説明できますでしょうか。どうでしょうか。とてもたいせつだけど、とっても基本的なことって意外に説明できない、ってかんじる方もいるのではないでしょうか。

そんな基本的なこともふくめて、病気についていろいろおしえてくれるのが「こわいもの知らずの病理学講義」(晶文社)です。1年半ほどの間(2017年9月〜2018年3月)で15刷ですから、なかなかのベストセラーです。自分は本をよむのがそれほど早くはないのですが、しりたかったことがいろいろと取りあげられていて、とてもおもしろかったので、あっという間によみおわりました。がんや、免疫療法については、目からウロコの発見もありました。

著者は、大阪大学医学部の仲野徹先生という病理学をおしえている方です。病理学って、なんだろうって首をかしげた方もいるかもしれません。この本も、そんな方のためにまず「病気はどうしてできてくるのかについての学問」だという病理学の説明からはじまります。そして「ごくおおざっぱにいうと、病気になるということは細胞が傷(いた)むということ」といって、細胞のいたむ原因や、その過程などについていろいろな例をあげて説きあかつつ、がんの先進・先端医療まで取りあげています。

ときに説明はとても専門的なところにはいっていきます。仲野先生自身も、専門的すぎるところは「気にせずとばして」よんでいいんだといっています。だから、そんなところはとばしてよめばいいんです。そんなことしても、勉強になるところはたくさんあります。がん治療への効果についておおきく期待されている分子標的薬については、この本をよむことで、いままでの疑問がとけました。これから何度もよみかえす本になりそうです。

医療通訳としては、ひとつひとつのことばに、「これって英語でいえばなんというんだろう」とおもいながらよみました。そこで、ついつい単語帳をつくってしまいました。単語帳をつくりながら、どうせだったら、ほかの方もつかえるようなものなればいいかなとおもい、じぶんがしっているような単語でも、医療用語であれば、なるべく単語帳に加えました(その結果、330語をこえてしまいました!)。このブログエントリーの一番下にありますので、ぜひ参考にしていただければとおもいます。

なお、単語帳は1語に1語といったかたちになっています。しかし、「単語表を作るときは1語に1語に注釈なしは無理がある」でもかきましたが、実際につかううえで、形容詞を名詞とまちがう可能性があるなど、1語に1語はベストな形式ではありません。自分自身の単語帳にくみいれるなど、この単語帳をベースにそれぞれの方がアレンジしながら、自分自身の勉強に取りいれていくのがいいでしょう。

また「医療用語は患者につうじない? — イギリスの調査をみる」でもおつたえたとおり、専門用語をそのまま患者にぶつけても、理解をえることはむつかしいでしょう。そういった場合、医師に単語の説明をうながすか、通訳が介入して言いかえをするのかは、それぞれの判断がもとめられるでしょう。いずれの場合でも、言いかえができる準備ができることもたいせつでしょう。そういった意味でも、このブログをよんでいる方が、「こわいもの知らずの病理学講義」と、下の単語帳を踏み台として、医療英語力をたかめていくことができればとかんがえています。

参考資料
Miller-Keane Encyclopedia and Dictionary of Medicine, Nursing, and Allied Health
医学大辞典 第2版(医学書院)
医学英和辞典 (研究社)
ウィキペディア英語版

(DNAの)鋳型 template
(遺伝)形質 trait
(細胞の)未分化 anaplasia
Bリンパ球 B cell
CDK阻害因子 CDK inhibitor
Tリンパ球 T cell, T lymphocyte
アデニン adenine
アナフィラキシー anaphylaxis
アフラトキシン aflatoxin
アポトーシス apoptosis
イニシエーター initiator
ウィルス感染 viral infection
ウィルヒョウ(ウィルヒョーとも)の三要素 Virchow’s triad
うっ滞 stasis, stagnation
エコノミークラス症候群 economy class syndrome
エピジェネティックス epigenetics
カテーテル catheter
カルテ chart, medical record
がん遺伝子 oncogene
がん抑制遺伝子 tumor suppressor gene, antioncogene
キナーゼ kinase
ギプス cast
グアニン guanine
くも膜下出血 subarachnoid hemorrhage/SAH
ゲノム genome
ゲノム解析 genome analysis
コドン codon
サーチュイン sirtuin
サイクリン cyclin
サブクローン subclone
シトシン cytosine
センチネルリンパ節生検 sentinel node biopsy
チアノーゼ cyanosis
チミン thymine
テロメア telomere
テロメラーゼ telomerase
ドライバー遺伝子 driver gene
ナチュラルキラー細胞 natural killer cell, NK cell
パッセンジャー遺伝子 passenger gene
ヒトパピローマウィルス human papillomavirus
プラーク plaque
プレシジョン・メディシン precision medicine
プロモーター promoter
ヘマトクリット hematocrit/Ht/HCT
ヘモグロビン、血色素 hemoglobin
ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pylori
マスト細胞、肥満細胞 mast cell
ミスマッチ修復酵素 mismatch repair enzyme
メス scalpel
メチル化 methylation
モノクローナル抗体 monoclonal antibody
ヨウ素 iodine
ランダム化比較検査 randomized controlled trial, randomized control trial
リガンド ligand
リンパ管 lymphatic vessel, lymph vessel
リンパ行性転移 lymphogenous metastasis
リンパ節 lymph node
悪性 adj. malignant
悪性リンパ腫 malignant lymphoma
悪性化 transformation
悪性新生物 malignant neoplasm
悪性貧血 pernicious anemia
圧痕浮腫 pitting edema
意識障害 consciousness disturbance
胃潰瘍 gastric ulcer
胃粘膜細胞 gastric mucosal cell
萎縮 atrophy
遺伝性球状赤血球症 hereditary spherocytosis
遺伝性非ポリポーシス大腸がん hereditary non-polyposis colorectal cancer/HNPCC, Lynch syndrome (リンチ症候群: こちらをつかうほうが適切であるとの見方がある)
遺伝的異常 genetic disorder
陰性 negative
疫学 epidemiology
塩基 塩基
塩基配列 base sequence
可逆的 adj. reversible
家族集積性 familial aggregation
過形成 hyperplasia
解糖 glycolysis
壊死 necrosis
壊死巣 focus of necrosis, lesion of necrosis, focal lesion of necrosis
外因性 exogenous
外因性経路 exogenous pathway
外部被曝 external exposure
核酸 nucleic acid
活性化 activation
活性酸素 reactive oxygen species/ROS
stock
粥状硬化 atherosclerosis
冠(状)動脈 coronary artery
寛解、緩解 remission
幹細胞 stem cell
感度 sensitivity
肝硬変 cirrhosis (of the liver)
肝細胞がん hepatocellular carcinoma
間質結合組織 interstitial connective tissue
癌腫 carcinoma
器質的疾患 organic disease
基底膜 basal lamina
寄生虫 parasite
機能障害 functional disorder
機能的疾患 functional disease
気管支 bronchus
逆転写酵素 reverse transcriptase
逆平行鎖 antiparallel strand
巨核球 megakaryocyte
巨赤芽球性貧血 megaloblastic anemia
虚血 ischemia
虚血再灌流障害 ischemia-reperfusion injury/IRI
虚血性心疾患 ischemic heart disease
狭窄 stenosis, stricture, constriction(日本語「狭窄」の訳語は部位によってちがうので、narrowingがもっとも普遍的)
凝固因子 coagulation factor, clotting factor
凝固壊死 coagulation necrosis
凝固能亢進 hypercoagulability
凝集 aggregation
極性 polarity
空気塞栓(症) air embolism, aeroembolism
形質発現 expression
経路 pathway, route
血管拡張 vasodilation
血管新生 angiopoiesis
血管透過性 vascular permeability
血管内皮 vascular endothelium
血管内皮の傷害 endothelial injury
血管縫合 angiorrhaphy, suture of a blood vessel
血行性転移 hematogenous metastasis
血小板 platelet
血小板無力症 thrombasthenia
血栓 thrombus; pl. thrombi
血栓塞栓症 thromboembolism
血栓症 thrombosis
血栓溶解療法 thrombolytic therapy
血友病 hemophilia
血流異常 abnormal blood flow
血漿 plasma
嫌気性 adj. anaerobic
原核細胞 prokaryocyte, prokaryotic cell (単細胞生物として存在することから、原核生物 prokaryoteとして通例あげられる)
原発巣 primary focus, primary lesion
後天的 acquired
交感神経 sympathetic nerve
好塩基球 basophil
好気性 adj. aerobic
好酸球 acidophil
好中球 neutrophil
抗がん剤 anticancer drug
抗原 antigen
抗体 antibody
抗体依存性細胞殺効果、抗体依存性細胞傷害(協和発酵キリンがこちらを使用) antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity/ADCC
梗塞 infarction
梗塞巣 focus of infarction, lesion of infarction
甲状腺疾患 thyroid disease
硬膜下血腫 subdural hematoma
酵母 yeast
黒色腫 melanoma
骨腫 osteoma
骨髄異形成症候群 myelodysplastic syndrome
骨肉腫 osteosarcoma
昏睡 coma
左右軸 horizontal axis, left-right axis, transverse axis
塞栓症 embolism
細菌感染 bacterial infection
細胞 cell
細胞外マトリックス extracellular matrix
細胞骨格 cytoskeleton
細胞周期 cell cycle
細胞内シグナル伝達タンパク intracellular signal transduction protein
細胞分化 cytodifferentiation, cell differentiation
細胞分裂 cell division
散発性 sporadic
子宮筋腫 uterine fibroid, uterine leiomyoma, uterine myoma
子宮頸がん cervical cancer
止血 hemostasis
脂肪塞栓(症) fat embolism
脂肪腫 lipoma
脂肪滴 lipid droplet
時計遺伝子 Clock gene
自己抗体 autoantibody
自己免疫 autoimmunity
自律神経 autonomic nerve
腫瘍 tumor
腫瘍ウィルス oncovirus
受容体 receptor
終止コドン stop codon
循環血液量減少性ショック hypovolemic shock
徐脈 bradycardia
上皮性 adj. epithelial
常染色体 autosome
職業がん occupational cancer
色素 dye
色素性乾皮症 xeroderma pigmentosum
触媒 catalyst
心タンポナーデ cardiac tamponade
心外膜 epicardium
心筋梗塞 myocardial infarction
心原性ショック cardiogenic shock
心室性不整脈 ventricular arrhythmia
心疾患 heart disease
心臓カテーテル cardiac catheterization (検査法・術式として), cardiac catheter (器具として)
浸潤 infiltration, invasion
真核細胞 eukaryocyte, eukaryotic cell
神経芽腫 neuroblastoma
神経原性ショック neurogenic shock
腎細胞がん renal cell carcinoma
性交感染 sexual transmission
性染色体 sex chromosome, allosome
成人T細胞白血病 adult T-cell leukemia
成長シグナル growth signal
成長因子 growth factor
成長抑制シグナル growth inhibitory signal
生体製剤 biologics
生理的 adj. physiological
精巣捻転 testicular torsion
赤血球 erythrocyte, red blood cell
接種 inoculation, vaccination (ワクチン接種という意味ではvaccinationをつかうべきとの見方も)
接着 adhesion
染色体 chromosome
線維化 fibrosis, scarring
線維腫 fibroma
線維素溶解 fibrinolysis
繊毛 cilum; pl. cilia
腺腫 adenoma
前後軸(頭尾軸) longitudinal axis, craniocaudal axis, vertical axis
組織 tissue
相補的塩基配列 complementary base sequence
増殖 proliferation
造血幹細胞 hematopoietic stem cell
造血幹細胞移植 hematopoietic stem cell transplantation
体腔 body cavity
体循環 systemic circulation, greater circulation
胆管がん cholangiocarcinoma, bile duct cancer
知覚障害 cognitive disorder
中皮腫 mesothelioma
腸捻転 volvulus
低酸素 hypoxia
適者生存 survival of the fittest
鉄欠乏性貧血 iron-deficiency anemia
転移 metastasis
転移巣 metastatic focus, metastatic lesion
転座 translocation
転写 transcription
転写因子 transcription factor/TF
動脈硬化 arteriosclerosis
特異度 specificity
突然変異 mutation
内因子 intrinsic factor
内因性 endogenous
内因性経路 endogenous pathway
内腔 lumen; pl. lumina
内視鏡検査 endoscopy
内部被曝 internal exposure
軟骨肉腫 chondrosarcoma
二重らせん double helix
肉腫 sarcoma
乳酸 lactic acid
乳腺 mammary gland
乳房再建術 breast reconstruction
認知症 dementia
粘液 mucus
粘膜 mucosa, mucous membrane
脳幹 brainstem
脳血管疾患、脳血管障害 cerebrovascular disease/CVD
脳梗塞 cerebral infarction
脳出血 cerebral hemorrhage
脳卒中 stroke
播種 dissemination
背腹軸 sagittal axis, anteroposterior axis
肺炎 pneumonia
肺循環、小循環 pulmonary circulation, lesser circulation
肺線維症 pulmonary fibrosis
培養 culture
梅毒 syphilis
白血球 leukocyte, white blood cell
発がん carcinogenesis,oncogenesis
肥大 hypertrophy
非小細胞性肺がん non-small cell lung carcinoma
非上皮性 adj. nonepithelial
微小血管障害性溶血性貧血 microangiopathic hemolytic anemia
病因 etiology (cause); pathogenesis (mechanism、mechanismは「機序」と訳される)
病理的 adj. pathological
頻脈 tachycardia
不可逆的 adj. irreversible
浮腫 edema
風土病 endemic, endemic disease
副交感神経 parasympathetic nerve
複合体 complex
複製 replication
分子生物学 molecular biology
分子標的薬 molecular targeted drug
分泌 secretion
平滑筋 smooth muscle
平滑筋肉腫 leiomyosarcoma
閉塞 obstruction
変異原性 mutagenicity
便潜血検査 occult blood test
鞭毛 flagellum; pl. flagella
母子感染 mother-to-child transmission, vertical transmission
放射性同位元素 radioisotope
放射線感受性 radiosensitivity
剖検 autopsy
翻訳 translation
末梢血液循環 peripheral blood circulation
慢性胃炎 chronic gastritis
慢性肝炎 chronic hepatitis
慢性骨髄性白血病 chronic myelogenous leukemia, chronic myeloid leukemia
免疫グロブリン immunoglobulin
免疫性溶血性貧血 autoimmune hemolytic anemia/AIHA
免疫療法 immunotherapy
毛細血管 capillary
網膜芽細胞腫 retinoblastoma
薬剤耐性 drug resistance
輸血 blood transfusion
優性遺伝 dominant inheritance
有病率 prevalence
遊走 migration
融解壊死 liquefactive necrosis
溶血性貧血 hemolytic anemia
羊水塞栓(症) amniotic fluid embolism
葉酸 folic acid
葉酸欠乏性貧血 folate-deficiency anemia
陽性 positive
良性 adj. benign
淋病 gonorrhea, the clap (俗)
劣性遺伝 recessive inheritance
罹患率 incidence rate
攣縮 spasm
瀉血 bloodletting, exsanguination
瘢痕形成 cicatrization
瘻孔 fistula
脛骨(書中では「頸骨」と誤植) tibia; pl. tibiae; shinbone
臍帯血 cord blood
貪食(作用) phagocytosis
顆粒 granule

医療ドラマの出演者だったら専門用語はバッチリ?

一般の患者にとって、医療専門用語はそれほどなじみがあるものではありません。当ブログでは、ロンドンの病院での患者調査の結果)について取りあげて、ネイティブ、ノンネイティブにかかわらず、英語の医療専門用語を患者はあまり理解していないという現実について紹介しました。

ところで、一般の人にとって、こういった医療専門用語を聞く機会があるのは、病院にいった時のほかに、映画やドラマ、ドキュメンターなどをみるときではないでしょうか。日本では、医療ドラマがすくなからずつくられていますが、英語圏の国でも、数おおくの医療ドラマがつくられています。人気のあるもののなかには、10年以上にわたってつづくドラマもあります。こういったドラマに登場する俳優たちが医師であるということはまずありません。しかし、人気ドラマの登場人物ともなれば、長期間にわたって、医療ドラマにたずさわっているわけですから、きっと、医療専門用語にもなじみがあるにちがいがありません。…本当でしょうか?

アメリカの医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」の出演者がでているおもしろい動画をみつけましたので紹介したいとおもいます。米国版TVガイドが公開したこの動画では、「グレイズ・アナトミー」の出演者がドラマ中で実際につかわれたセリフを問題なく読みあげることができるかどうかチャレンジしています。

このチャレンジは、ひとつひとつの単語の知識をこたえるクイズのかたちではありませんが、出演者たちのとまどいや、苦労している様子をみると、長年医療ドラマに出演した俳優たち(5人の出演者の内わけは、アメリカ人2人、イギリス人2人、カナダ人1人)でも、医療専門用語にそれほどなじんではいないことがよくわかるとおもいます。出演者によっては、じぶんのセリフだったにもかかわらず、数年後にあらためてセリフをわたされると、読みあげるのに四苦八苦しています。医療従事者でない一般の方が医療専門用語について、どれくらいなじみがないのか想像できるのではないでしょうか。

なお、チャレンジでつかわれたセリフは次のとおりです。

  • “This guy’s got a blown right pupil, an endo-occipital dislocation, open-book pelvis, a large open abdominal wound, a sucking chest wound, seven broken ribs.”
  • “Enlarge the incision with a dissecting instrument and use a stapler to create the anastomosis.”
  • “I’ve gotta post-op ortho patient on DVT prophylaxis with a subdural hematoma. Derek, she’s got a blown pupil.”
  • “A 15-year-old with GSW to the thigh with comminuted femur fracture. Lacerations with superficial femoral artery.”

隠語や専門用語としても高度なものがふくまれますが、医療通訳の資格試験に既出のものや、今後でてくるであろうと予想される用語もあります。下表で「○」がついているものは要注意です。

テキスト「医療通訳」掲載の有無
blown pupil 吹出瞳孔
open-book pelvis 前後圧迫型骨盤骨折(オープンブック、オープンブック型骨盤骨折とも)
sucking chest wound 胸部吸込創(開放性気胸: open pneumothorax; 疾患名である開放性気胸へと直接訳すことがある)
anastomosis 吻合
post-op 術後
ortho 整形外科(orthopedicsの略)
DVT prophylaxis 深部静脈血栓症予防(DVT/deep venous thrombosis: 深部静脈血栓症)
subdural hematoma 硬膜下血腫
GSW 銃創/射創(GSW: gunshot wound)
comminuted fracture 粉砕骨折
femur 大腿骨
laceration 裂創/裂傷
superficial femoral artery 浅大腿動脈

【参考資料】
医学大辞典 第2版(医学書院)
外来医マニュアル第3版(医歯薬出版)
ビジュアルノート(メディックメディア)
「まんが 人体の不思議 」(ちくま新書1256)
「これでわかる! 人体解剖パーフェクト事典」(ナツメ社)
「カラー図解 人体解剖英単語辞典」(ナツメ社)
「しくみが見える体の図鑑」(エクスナレッジ)

医療英語はユニバーサル? アメリカ英語とイギリス英語のちがいをみる

英語をまなぶときに、英語が日本語の標準語のようにひとつの標準をもっている言語であるかのようにおもいがちな方はすくなくないでしょう。アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語といったちがいがあることを理解しつつも、ついつい発音やアクセントの差くらいととらえている方は意外とおおいものです。自身の授業でも、(とくに医療用語について)ひとつの日本語の単語について複数の英単語をならべると、英語圏すべてでつうじる単語はどれかという質問をする方はいました。

とくに、海外経験がある方やネイティブは実体験という強力な支えがありますから、じぶんのしっている単語・表現がすべてとおもいこみがちだったりするものです(このことについては、日本国内での英語による医療コミュニケーションについてたいせつな問題として別の機会にとりあげたいとおもいます)。ですが、英語のバラエティはとても豊かです。単語・表現は、地域によっておもわぬかたちであらわれたりします。

医療英語も例外ではありません。地域性があります。もっとも、その地域的なちがいをひとつひとつ取りあげていくのは、とてもむつかしいことです。今回は英国と米国のちがいをとりあげた記事をみつけましたのでご紹介したと思います。BBCアメリカがイギリスの医療ドキュメンタリーを紹介するにあたりまとめた記事です。なかでは、アメリカ人が驚いたり、違和感をかんじたりするであろう英国での医療用語・表現が取りあげられています。

記事では、ひとつひとつの単語について、英国では〇〇という言い方をするけれども、アメリカでは△△といういい方をするといった形で、単語の対立を取りあげているだけではありません。文化的な背景や、表現の由来などにもふれてもいます。長い記事ですが、とても興味ぶかい内容となっています。ぜひ一読することをおすすめします。

surgery doctor’s office 診療所(surgeryには診察「時間」という意味もある
giddy dizzy めまい
knock up wake up (患者を)おこす
A&E ER 救命病棟(英国ではERは救急室・救急外来という限定的なつかいかたをする)
jab shot 注射
surgical spirit rubbing alcohol 消毒用アルコール
chemist’s/chemist’s shop pharmacy/pharmacy store/drugstore 薬局
Elastoplast/plaster Band-Aid/first aid adhesive bandage ばんそうこう
gip ache いたみ(英国でacheをつかわないという意味ではなく、gipをつかうことがあるということ)
sick vomit 嘔吐物(sickと嘔吐物のことを英国でよぶことがあるということ)

国内の医療通訳のスクールではおおくが、アメリカ英語で医療英語をおしえているとかんがえられます。このブログでも、スペルなど表示については基本的にアメリカ英語を採用しています(ただし、アメリカ英語の優位を主張するものではありません)。そういったスクールで医療英語をならった方にとっては、診療所を英国で”surgery”とよぶことはおどろきでしょう。わたくし自身も下の動画(0:20くらい)をはじめてみたときに、そのことを知り、おどろきました。

なお、Collinsの”Australian English Dictionary”をみると、”place where, or time when, a doctor, dentist, MP, etc. can be consulted”とありますので、オーストラリアでも英国とおなじつかいかたをするようです。ただし、Wikipediaによると、オーストラリア英語では”doctor’s room”や”doctor’s practice”というそうです。

医療用語の英米のスペルのちがいは、こちらのサイトが取りあげているものが参考になります。”color”(米)が”colour”(英)と”or”が”our”になったり、”center”(米)が”centre”(英)のように”er”が”re”になったりするのは、おおくの方がしっているとはおもいます。しかし、”e”(米例: apnea、ischemia)が”oe”(英例: apnoea)または”ae”(英例: ischaemia)になるのをしったら、とまどうひともおおいのではないでしょうか。

ここでは、英語のちがいをイギリス英語、アメリカ英語のちがいというわかりやすいものを取りあげてみました。しかし、国内で英語の医療通訳を必要とする外国人患者のバックグラウンドは、米英のちがいにとどまらず、さまざまです。特定の英語にこだわらない、柔軟なかんがえで、医療通訳にのぞむ姿勢がたいせつといえるでしょう。