頭痛についての危険信号・レッドフラッグ

頭痛や胸痛、腹痛といったよくある症状で患者が来院すると、医師はその症状が危険信号(red flag/warning sigh)をともなうものであるかどうかを確認します。問診や身体検査は、こういった危険信号があるのかどうかを確認するためにすすめられます。

動画をみながら、どのようなred flagが頭痛の場合はあるのか確認しましょう。

いくつかのレッドフラッグについて整理しました。それぞれ、問診の想定質問をあげてみました。想定質問を自分でもつくってみましょう。

感染症をうたがう

発熱や、首のコリ、からだ・関節のいたみをともなう頭痛については、髄膜炎などの感染症をうたがいます。
想定質問:
      Do you have any other symptoms?
      (ほかになにか症状はありますか)
      Do you have a fever?
      (熱はありますか)

英語 日本語
headache with fever 発熱をともなう頭痛
stiffness of the neck 首のコリ、首の緊張
nuchal rigidity 項部硬直(こうぶこうちょく)
joint ache 関節痛
infection such as meningitis 髄膜炎などの感染症

脳神経系の疾患をかんがえる

片側だけに麻痺や運動障害がみられる場合や、言語障害や視覚障害については脳神経系の疾患の可能性をかんがえます。
想定質問:
      Do you have numbness or tingling in any parts of your body?
      (からだのどこかがしびれたりとか、麻痺しているとかいったことはないですか)

英語 日本語
numbness on one side of the body 片半身麻痺
weakness on one side of the body 片側に力がはいらない
difficulty with speech はなしづらい
difficulty understanding what is being said to the patient 何をいわれているのかよくわからない
difficulty in vision/diffculty in eyesight みえづらい、視覚障害
neurological complication 脳神経系合併症
stroke 脳卒中
brain tumor 脳腫瘍

発症時の行動から脳血管障害の可能性をさぐる

発症時に運動など血圧が上昇するような行為をしていると、脳内出血をおこしている可能性をかんがえます。
想定質問:
      What were you doing when the headache came on?
      (頭痛がしはじめたときには、なにをしていましたか)

英語 日本語
onset with coughing 咳をしていて発症
onset with straining いきんでいて発症
onset with exercise 運動をしていて発症
onset with sexual activity 性行為中に発症
sudden onset of headache 突然の頭の痛み(の発症)
bleed into the brain 脳内出血
hemorrhagic stroke 出血性脳卒中
ruptured aneurysm 動脈瘤破裂
brain tumor in the back of the head that interferes with the pathways of the cerebrospinal fluid 脳脊髄液の通路に干渉する後頭部の脳腫瘍
thunderclap headache 頭をぶん殴られたような頭痛
subarachnoid hemorrhage くも膜下出血

患者が50歳を超えている

患者が50歳を超えている場合は、からだにさまざまな問題がおきている可能性があるので、気をつけます。

英語 日本語
headache after age 50 50歳以降の頭痛
brain tumor 脳腫瘍
inflammations of the arteries 動脈の炎症
giant cell arteritis, GCA 巨細胞性動脈炎
temporal arteritis, TA 側頭動脈炎
jaw pain あごの痛み
tenderness of the scalp 過敏な頭皮
vision problems 視覚障害
brain tumor as metastasis from other tumors 他の腫瘍が転移した脳腫瘍

頭痛のパターンがかわった場合

慢性的に頭痛をかかえている患者の場合、いままでと頭痛の痛み方がかわったりしたばあいは気をつけます。
想定質問:
      Is this headache any different from before?
      (今回の頭痛はいままでのと、なにかちがいますか)

英語 日本語
change in the pattern of headaches 頭痛のパターンの変化
a longstanding history of headaches 長期にわたる頭痛の既往歴
a different quality to the pain 痛みの質(種類、あり方)がちがう
a different location (痛む)場所がちがう

参考資料

※参考資料にもとづいて医療英語・医療通訳の勉強のためにつくられた資料です。実際の治療や、検査のために、つくられた資料ではありません。病気・疾患になやまれたばあい、きちんと病院で治療をうけてください。

検査の指示表現を小児整形外科でまなぼう

診察のながれをつかむのに、YouTubeの動画はとても有効な手段です。医療系の動画は豊富にそろっていて、とくに英語については、症状や身体器官をキーワードにすると、その症状を説明する動画や、身体器官の動きを説明した動画がおおく検索できます。そのなかで、平易なことばをおぼえるのにおすすめしたいのが、以前にもつたえたとおり小児科関連の動画です。

フィラデルフィア小児病院の動画をみよう

自分でも、いろいろとYouTubeでしらべていて、これはつかえる、とかんじたのは、フィラデルフィア小児病院(the Children’s Hospital of Philadelphia)が提供している動画です。平易でありながらも、幼児ことばでないことばづかいで診察がおこなわれていくようすがうつされていて、とくに検査をするうえで、どのような指示が患者にたいしておこなわれているのかという点でとても勉強になります。

きょうは、このなかで、背中の検査をしている動画を紹介します。

“Good” “Great” ちょっとしたことばにもいみがある

動画をみていると、それぞれの指示にしたがって患者が動作をおこなったあとに、医師は次のような、ことばを患者になげかけていますね。

Great.
Good.
Perfect.
Fantastic

こういったことばを医師が発する背景には、患者との円滑なコミュニケーションを築こうとしている医師の努力があります。ちょっとしたことばなのですが、実はとてもたいせつなのです。日本の医師も、こういった患者とのコミュニケーションを円滑にする努力はしています。日本語であれ、英語であれ、”Great”と”Good”をどう訳しわけるかというよりは、そういった医師の努力をきちんと訳しのがすことなく、つたえることがたいせつだと心得ましょう。

日本語の「ください」はかならずしも”Please”ではない

動画のなかで、つかわれる指示を表にしました。日本語では、どうしても、「〜してください」という形になることがおおいですね。気をつけてほしいのは、基本的に”Please”をつけないということです。ほとんどの場合は”Can you 〜”というかたちになっています。”Can you 〜”を連発したあとは、命令形になったりしています。命令形だけをつかうことはのぞましくありませんが、”Can you〜”を連発したあとであれば、相手の頭のなかにも、”Can you〜”がのこっていますから、指示が命令形になっても、失礼にあたることはありません。

日本語と英語がすっきりかさなることは、なかなかありませんよね。それでも、こういった”Can you〜”と命令文がまじったりする感覚は、日本語においても理解できることなのではないでしょうか。たとえば、日本語の指示表現で「眼を大きくあけてください。次は眼をとじて」とか「合図をだしたら、息をすってくださいね。それでは息をすって〜、はいて〜」とかいったかんじで、日本語でもすべてていねいに「〜ください」といったりしないことがあるからです。

下の表では、紹介した動画のなかでつかわれている指示表現のほとんどをしるしました。いろいろ応用して、ほかの表現もかんがえてみましょう。たとえば、”towards the door”は”towards the wall”としてもいいでしょう。日本語も、表の表現にこだわらずに、いろいろないいかたをかんがえてみましょう。

指示  
The first thing I would like you to do is just walk to the door. まずは、ドアに向かってあるいてください。
Can you walk on your tiptoes towards me? つま先だちで、こちらにむかってあるいてください。
Can you walk on your heels towards the door? かかとでドアに向かってあるいてください。
Can you jump up and down on both feet together for me a couple times? 両方の足で上下に何回かはねてください。
Can you hop on one foot a couple of times? 片足でケンケンを何回かしてください。
And then the other foot a couple of times? 別の足でケンケンしてください。
Can you squat down like a catcher in a baseball game and touch the ground? 野球のキャッチャーみたいにしゃがんでから、地面をさわってください。
Come on up. こちらにきてください。
Can you bring your chin down to your chest? あごを胸にくっつけるようにさげてください。
Look straight at me. まっすぐこちらをみてください。
Turn your head to one side. And the other side. 後をみるように頭だけをまわしてください。反対側にもまわしてください。
(Bring) Your ear down to your shoulder. And the other shoulder 頭を片方にかたむけてください。反対側にもかたむけてください。
Can you put your feet together for me? 両足をくっつけてください。
Can you bend forward and try and touch your toes? 前にからだをまげて、つま先をさわってください。
Come on back up. もとにもどってください。
I want you to lean back for me. 後にそってください
We’re going to bend you to one side, and the other side. 横にからだを曲げますね。反対側も。
I want you to twist to one side and twist to the other side. からだを後にむかってひねってください。反対側も。
Can you bring your arms up over your head for me? 両手を頭の上にあげてください。
(Bring) Arms out to the side. 両手を横にあげてください。
Can you touch your shoulders? 自分のかたを(手で)さわってください。
Can you reach up your back? 手を背中にまわしてください。(背中に手がとどきますか。背中に手がまわりますか。)
Can you give me the thumbs-up sign? 親指を挙げてください。
Can you make the OK sign? 親指と人差し指で丸をつくってください。
Can you open and close your fingers? 手をにぎったり、ひらいたりしてください。
Can you hold your arms out real strong? 腕に力をいれてうごかないようにしてください。
Push my hands out. わたしの手を外側におしだそうとしてください。
Push my hand in. わたしの手を内側におそうとしてください。
Push my hands up. わたしの手を上におしあげようとしてください。
Push my hands down. 手を下におしさげようとしてください。
Hold your hands up real high 手を上にあげて、力をいれてうごかないようにしてください。
Spread your fingers wide apart. 手を大きくひらいてください。

英語と日本語の小児科のことばづかいのちがい

医療英語をまなんでいれば、診察室のなかで、実際にどのようなことばをつかって質問や指示をしているか気になりますよね。できれば、現場をみてみたいでしょう。とはいえ、患者のこともありますから、現場を実際にみるということはむつかしいですよね。そこで、おすすめしたいのは、英語の小児科関連の公開動画鑑賞です。

小児科だと、こどもむけのことばではなしているんじゃないか、とおもうひともいるとおもいます。そこで、動画を紹介する前に、日本語と英語の小児科でのことばのちがいをみてみましょう。

日本の小児科

診察室でのやりとりなどをかんがえて、医療通訳の勉強をしていてむつかしいとかんじるのは、小児科です。日本語はこどもにはなしかけることばが、おとなにはなしかけることはと明瞭にちがうからです。下の動画は、こどもからの採血についての説明ビデオです。看護師がこどもに向かって話すことばを聞くと、とてもそのままおとなにおなじことばがつかえるとはおもえないですよね。

ここらへんは、文化的なちがいで、日本語の場合、いくら小児科のことばをまなんでも、小児科のなかではつかえても、とてもおとな向けの診察にはおなじことばをつかうことはできません。ところが、英語の場合はそうでも、ないんです。たしかに、こどもがつかういわゆる幼児ことばというものはあるんですけど、日本語とはちがって、ことばの組みたて方そのものがまったくかわってしまうということがないんです。

ERにみる、英語での子どもとの会話

先日、ERをみていたら(ファイナルシーズン第9話)、おねえさんが交通事故で死んでしまう男の子(小学校低学年くらい?)のシーンがでてきました。男の子が幼すぎておねえさんの死を理解できないでいるので、医師がおねえさんが死んでしまったことを説明するのです。小児科のはなしではないのですが、こどもと医師とのあいだの会話という点では参考になるので、すこしながいですが、その会話を書き出してみました。医師は2人、こどもがひとりの会話です。

Dr. A: This is Dr Brenner.
Dr. B: Nice to meet you, Tyler.
Tyler: Is Ashley awake yet?
B: Tyler Your sister was in a car crash.
T: She flew out the window.
B: Right.
B: And she hit the ground very hard.
B: And it made her stop breathing, and, and then, her heart stopped beating.
B: We did everything we could for her, and we we gave her medicine and oxygen and blood.
B: But sometimes, sometimes people are injured so bad that we can’t save them.
B: And that’s what happened to your sister.
B: We did everything we could for her, but we couldn’t help her. And she died.
T: Maybe you can try some more. Maybe she needs another operation.
B: That wouldn’t work.
T: Are you sure?
B: I’m sorry.
A: Your mom and dad are going to come back to town tomorrow.
A: In the meantime, we’re gonna keep an eye on you.
T: Can you stay with me now?
A: I’m not going anywhere.

すぐに気づくとおもいますが、このことばをみるかぎりは、おとなだろうと、こどもだろうと、つかわれていることばに、ほぼちがいがないということです。

小児科の公開動画をみることをおすすめしたのは、英語のこの特徴を利用するためです。もちろん、こどもに話しかけることばは、むつかしいことばはありません。そして、これはむしろ医療英語を勉強しているものからすれば、とても歓迎すべきことです。

先ほどもいいましたとおり、英語で幼児ことばというものがないわけではありません。参考として、体の部位を指す名詞などをいくつかあげておきます。便・尿などは、名詞と同型で動詞としてつかわれるものもあります。

こどもことば 英語 日本語
bum buttlocks 尻、臀部
doo-doo, number two, poo, poop, wee, wee-wee fetus, stool 便
boobs breasts 胸(chest 胸という全体をさすことばとはことなり、胸のふくらみの部分をさす)
number one, tinkle urine 尿
tootsies toes, feet つま先、足
tummy, tum stomach, abdomen
wiener (AmE), winkle (BrE), dick penis 陰茎
balls testicles 睾丸

参考資料
Words used by or to young children

鑑別診断についての動画をみる(初級編もなくいきなり上級編)

鑑別診断(differential diagnosis)のことをしりたくて、YouTubeをさがしていたら、興味ぶかい動画がみつかりました。紹介する前に、鑑別診断とはなにかということについてちょっとふれます。

鑑別診断とは

鑑別診断とは「医学大辞典 第2版」(医学書院)によると「ある症候(signs and symptoms)の原因となっている疾患を、類似した他の疾患と鑑別すること。具体的には、症状(symptoms)や検査結果(exam and test results)など患者から得られた全ての臨床情報(clinical information)をもとにして、そのような症状を示す可能性のある疾患のなかで、一番よく一致する疾患を鑑別する作業をいう」となっています。

たとえば、腹痛(abdominal pain)を例にかんがえてみましょう。「腹痛について勉強しよう」のところで腹痛の原因となる疾患をあげましたが、腹痛といっても、その原因となる疾患はいろいろなものがありますよね。医師は腹痛患者について痛みの部位や状態、検査結果(これらを臨床情報といいます)などをみながら、「一番よく一致する疾患を鑑別する」のです。

鑑別診断の重要な部分をしめている除外診断(diagnosis of exclusion、Weblio辞書などでは”diagnosis by exclusion”とでてくるが”DOE”と略されるように”of”をつかう)のことをかんがえると、わかりやすいかとおもいます。除外診断の除外とは、いろいろな疾患の可能性をひとつひとつ消去法手的に取り除いていくいくということです。医師は腹痛をうったえる患者がきたら、腹痛の可能性のある疾患のリストを頭のなかで思いえがきます、そして、診察のなかでえた情報(臨床情報)をもとに、そのリストの疾患をひとつひとつ除外していくのです。そうやって、最終的な診断にいたるというわけです。

医療通訳は診察のながれをよむために

そもそも、なんで鑑別診断のことをしらべようかとしたかというと、以前、「会話の流れを予想する 予想にとらわれない」のなかでふれたように、医療通訳は診察のながれを理解することがとても大事です。そのためには、医師がつねにおこなっている鑑別診断について、さらにしることが必要だとかんがえたからです。

さて、ご紹介する動画は鑑別診断のことについて、かなり深く突っ込んでいます。スタンフォード大学のEric Strongという先生が解説をしています。かなり長いですし、簡単ではありません。上級編といっていいでしょう。字幕はついていますが、自動生成されたもののようで、かなり間違いがありますので、頼ることはできません。鑑別診断のことをしらべていた、そもそもの動機からかんがえると、やや上級過ぎる感じもしますが、とても興味ぶかく、くり返しみて、勉強したくなる動画です。

医療通訳も一人称で通訳する

三人称ではなく一人称で通訳する

医療通訳「も」一人称で通訳するとしたのは、一般に通訳というのは発言している人のいったとおり、そのまま訳すので、一人称になります。たとえば、Aさんが「きょうみた映画はおもしろかったです」といえば、そのまま、「きょうみた映画はおもしろかったです」と別の言語に訳します。「Aさんが『きょうみた映画はおもしろかったです』といっています」という風に、通訳者が第三者の立場にたって、「Aさんが」という部分と「といっています」という部分をつけ足して、三人称で訳すことはないということです。

医療通訳も同様に、患者や医師・医療従事者の発言を一人称で訳します。たとえば、John Smithさんという患者のサポートにはいったとします。John Smithさんが “I have a headache” といえば、「(私は)頭がいたいです」と訳します。「ジョン・スミスさんが『頭がいたい』といっています」とはいわないということです。「ジョン・スミスさんが」とか「といっています」ということばを足さないということです。

一人称で通訳をするということは、ある程度、通訳というしごとをしっていたり、なれていたりすると、当然とおもわれることでしょう。しかし、トレーニングをうけたことがないひとが通訳をすると、三人称になってしまうことはよくあることです。実際に僕がおしえていた生徒で「一人称でやるということをしらずに、ずっと三人称でやっていました」という方がいました。この方は、あるクリニックに専属の医療通訳としてつとめていました。英語は優秀だったのですが、医療知識など医療通訳の技能を身につけたくて僕の授業をうけにきました。英語の能力は優秀でも、通訳術ということをみにつけないと、つい三人称でやってしまうということは、よくあることなのです。

簡潔で直接的なコミュニケーションのために

なぜ、一人称にするのかという理由をいうと、第一に、簡潔なコミュニケーションのためです。上の例でみてもわかるように、三人称にするためには、つけ足さなくてはいけない部分がどうしてもでてきます。そのために、どうしても、長くなってしまうのです。一人称にすれば、簡潔に通訳できます。

第二に、通訳表現が第三者をへた間接的なものにならないことから、実際に発言しているひと同士の直接的なコミュニケーションの成立に役立つからです。医療行為は本来、患者と医師・医療従事者のあいだの直接的コミュニケーションにもとづくものです。言語の壁によって、この直接的コミュニケーションがなり立ちづらい状況で、医療通訳はサポートにはいります。ですので、医療通訳は患者と医師・医療従事者のあいだで直接的なコミュニケーションが成立するようにちからをつくさなくてはなりません。そのためには、一人称の通訳が最良の選択肢なのです。

一人称をつかうことを現場でつたえる

プレセッションのことを紹介したときにもつたえましたが、実際に医療通訳のサポートにはいった場合には、一人称で翻訳をすることを現場できちんとつたえるべきです。通訳をつかうことになれていない人の場合、一人称をつかった場合の”I”がさしているのが発言者(患者または医師・医療従事者)なのか、それとも、通訳自身なのかという点で混乱してしまう可能性があるからです。

実は、ここで疑問がでてきます。通訳が質問をしたい場合には、どうすればいいのかということです。つまり通訳が自分自身のことばで発言をする必要がある場合にどうするのが適切なのかということです。三人称に切りかえるというのがひとつの方法です。”The interpreter wants to ask a question”とか「通訳が質問があります」とか、主語を三人称にするという方法です。この方法をとったとしても、日本語については、一人称と三人称の切りかえが、あまりはっきりしないので、通訳はその場に応じてアレンジする必要があるでしょう。